パニック寸前、雇用調整助成金の現場 「窓口で泣き出す人もいます。何とかしたいんですが、私たちはどうしようもありません」 西日本の、とある労働局で、4月から雇用調整助成金の窓口担当になった高齢職員は言う。 新型コロナウイルスの蔓延に伴う営業自粛などで経済がまさに「凍りついて」いる中、政府は雇用調整助成金制度の拡充で、失業の発生を食い止める姿勢を打ち出している。 労働局やハローワークの窓口には、売り上げが文字通り「消滅」した零細飲食店や小売店の事業者たちが、藁にもすがる思いで相談に殺到している。政府は申請手続きを簡素化したと言うが、これまで労働局に足を運んだこともなく、役所の申請用紙とは無縁だった高齢の事業者にとって、ハードルは高い。 冒頭の労働局も平時は2人だった雇用調整助成金の担当を、他部署からの応援や臨時雇用などで18人に増強、さらに増やす準備をしている。 「どうしても相談にはひとり1時