菅義偉首相による「学術会議任命拒否問題」というよりも、これは「学術会議任命拒否事件」というべきではないだろうか。もちろん問題であることは確かだが、ここまであからさまな違法行為をやって居直っているこの国の首相については「事件」として追及を緩めるべきではない。 当初の言い訳は、「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保するため」というものだった。抽象的だが、何か一見大義名分なのかと感じさせるような単語を並べていたが、苦しくなってくると「(推薦段階の)リストを見ていない」と言い出した。見ずに判断するとはどういうデタラメなのか。そして「一部の大学に」「男女の比率が」「年齢層が」と、いろいろな偏りを言い訳にした。リストを見ないで偏りを判断するという超常現象のようなことが起きたわけだが、拒否された6人の学者の属性とも矛盾するその場しのぎとしか思えない釈明となった。 さらには、公の場で「説明できることとでき