一人の少女にとって、戦争とは、空襲とは、焼夷弾の雨とは何だったか。母親の証言から戦争の"リアリティ"を描く傑作マンガ 『あとかたの街』『凍りの掌』作者・おざわゆきインタビュー【後編】 父親の壮絶なシベリア抑留体験をもとに漫画化した『凍りの掌 シベリア抑留記』を描いたおざわさん。現在は母親の戦争体験をもとに描いた漫画『あとかたの街』を「BE・LOVE」(講談社刊)にて連載中。銃後の生活と戦争を描いた『あとかたの街』について話を聞いた。 ←【前編】はこちら * * * “感覚”としての戦争を写し取りたい −−『あとかたの街』を描くきっかけは、『凍りの掌 シベリア抑留記』(以下『凍りの掌』)が文化庁メディア芸術祭マンガ部門の新人賞を受賞したことだったそうですね。 おざわ: 『凍りの掌』で父の戦争体験を描いたあと、もう少し戦争の話を描いてみたいという思いがありました。「父を描いたから、今度は母を!