どうも、少しズレている気がする。 「軍人=人殺し」という図式に拘りすぎているんじゃないか? 要領よくまとめているが、テーマの捉え方が予定調和的というか、ことの流れが単純化、直線化されすぎていないか。これでは人間の歴史というものについて本質を見失ってしまう。 性懲りもなく今も戦争を繰り返す連中に対し、孤高から道徳的非難を浴びせて自分が気持ち良くなっているだけで、現に行われている空爆を止めさせるプログラムというのが、これだと出て来ない。 国際輿論を盛り上げて孤立させる? 残念ながら、彼らは孤立を恐れてないね。 本書、たとえば、第2次上海事変初期における日本海軍の渡洋爆撃よりも、中国空軍による上海市街爆撃のほうが先だったことに触れてない。これに対し中国空軍の基地覆滅を目的として遂行されたのが渡洋爆撃だった。だが、太平洋の島々から出撃して洋上での艦隊決戦を想定した機体だった海軍96式爆撃機は、航続