(はじめに) 世界各国の生活の状況は家計消費支出として何に多く費やしているかの状況からうかがうことができる。エンゲル係数として知られる食費の割合は所得水準に比例している。また、大阪の「食い倒れ」、京の「着倒れ」、江戸の「呑み倒れ」という言葉(注)があるように、消費支出の費目構成が所得水準と言うより地域の特色をあらわす場合もある。 (注)食・衣服・アルコールに傾倒するあまり倒産するというような意味。「嬉遊笑覧」(4、1830年)に「俗諺に、江戸の喰倒れといふは、もとさにあらず。「元禄曽我物語」に、実にまこと京は着てはて大坂は食て果るとかや云々、此をとりたるなり」とあり、食い倒れ、着倒れは江戸時代以来の言葉である。 以下では、食料品支出を食費とも呼ぶ。外食は「外食・宿泊」に含まれており、ここでの食費には含まれない。 (原データについて) 各国の家計調査は、原資料の収集の困難を別にしても、対象、