約1カ月半後に迫った米大統領選。米国ではヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏が接戦を繰り広げているが、目下アジア専門家の間で話題になっているのが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐるホワイトハウスとクリントン氏の「確執」だ。 もちろん、オバマ大統領もクリントン氏も長年くすぶり続けているTPPに関する意見の相違をこれ以上悪化させたくはないだろう。「公的に『争う』ことは双方にとって大きなダメージになりかねない」と、ワシントンで影響力を持つニューズレター「ザ・ネルソン・レポート」を発行するクリス・ネルソン氏は言う。 だからといって、双方とも譲る気はないようだ。「私が知る限り、オバマ大統領は(任期中の)TPP批准に賭けている。仮に年内に達成できなくても、最終的にはTPPを成功に導く形にはしておきたいと考えている」と、ワシントンに拠点を置くシンクタンク、新アメリカ安全保障センター(C