「自分の限界を知る」という表現に、後ろ向きなニュアンスが漂うのはなぜだろう。そこには、「自分の能力をあきらめている」「努力による成長の可能性を否定している」といった意味を感じるからだろう。みんな、「がんばれば、きっと何とかなる」と信じたいのだ。 でも、がんばっても、無駄なものは無駄であることを知ることこそが、大人というものだ。 中年の仲間入りをして、つくづくそう思う。そして、若かりし頃の自分を振り返ると、自分の非力さに焦り、無意味な努力をしたものだと、思わず苦笑いしてしまう。 「やってみなければ、きっと後で後悔する(=やってみれば、失敗しても悔いはないはず)」というのが、若者を駆り立てる殺し文句だが、何のことはない。大人になってみると「やりもしないが後悔もしない」という素晴らしい選択肢が転がっていることに気づく。 「自分にできること」「自分のやりたいこと」を無限の努力によって永遠に追求する
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