日比谷公会堂(東京都千代田区)で一九六〇年十月に刺殺された浅沼稲次郎(いねじろう)社会党委員長(当時)の像を刻んだレリーフが、公会堂三階ロビーの掲示板の裏に隠されたまま、眠っている。七一年に設置された直後に何度か壊され、さらなるトラブルを避けて人目につかないように覆われたらしい。事件から五十五年を経て「言論は暴力に屈さない」姿勢を伝えようと、再公開を求める声が出ている。 野間宏、平塚らいてう、吉野源三郎、市川房枝、松本清張、淡谷のり子。「浅沼稲次郎記念碑設立会」の資料によると、発起人には多くの作家や運動家らが名を連ねた。文化人、社会党、労組から約六百五十万円を集め、彫刻家の岩野勇三氏がレリーフを制作したほか、記録映画も作られた。 七一年十月、浅沼の妻、享子さんらが出席し除幕式が開かれた。当初は誰でも見ることができたが、右翼からの抗議が相次ぎ、十一月には何者かの手で二度にわたり破壊された。
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