3月中旬の週末、栃木県内で開かれた、カルビーの社内イベント終了後のこと。松本晃・会長兼CEOは一緒に食事をしていた伊藤秀二社長に、唐突に切り出した。 「僕はもう今期で降りるわ、いい潮時だよ。僕が辞めた後も伊藤さん、カルビーをよろしくお願いします」 だいぶ前から「腹を決めていた」 3月27日、カルビーは松本氏の退任を発表した。理由は「本人から退任の申し出があったため」という。後任を含めた新たな経営体制は4月中に決定する計画だが、伊藤秀二社長が続投する可能性が高い。 松本氏は、医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長を経て2009年にカルビーの会長兼CEOに就任。高コスト体質にあえいでいた同社を立て直し、2009年度から2016年度まで8年連続の増収増益を達成した、いわばカリスマ経営者。そのため、松本氏の退任が公表されると、株価は3780円から一気に7%近くも下げた。 唐