不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 わりといろんな分野の本を読むほうではあるのですが、実は経済学の本というのはほとんど読まずにいました。 理由は経済学というのがいまいち何を行う学問なのかがピンとこなかったからなのですが、この経済学らしくない経済学の本を読んだおかげで「なるほど。経済学ってそういうものなんだね」と思えました。 例えば、こんな記述があります。 古典派経済学の始祖、アダム・スミスが、もともと何よりも哲学者であったことは覚えておくに値する。彼は道徳主義者になろうとして、やっているうちに経済学者になってしまった。彼が1759年に『道徳感情論』を出版した頃、現代資本主義がちょうど始まろうとしていた。スミスはこの新しい力がもたらす劇的な変化に夢中になったが、彼は数字にだけ惹きつけられていたのではなかった。彼