ブックマーク / honz.jp (35)

  • 『暴力と不平等の人類史: 戦争・革命・崩壊・疫病』平等は破壊の後にやってくる - HONZ

    ものすごいだ。まずはページ数。索引と原注だけで141ページ。文582ページ。重い。 次は帯。「核戦争なき平等化はありえるか?」という文章が美しい縦書きで書かれている。不意をつかれてギョッとする。横書きには第二次世界大戦、毛沢東の「大躍進」、欧州のペストという千万人単位が死亡した事件の結果として起こった平等化、生活向上、賃金上昇などの例を上げている。さらにギョッとする。 あまりに分厚いので、とりあえず序章と第4章「国家総力戦」を試し読みしてみた。第4章は明治維新以来の日の不平等の激化と戦争による解消だ。浅学な評者としては概ね正確だとしか評価することはできないが、これだけでヘタな新書一冊分の情報量がある。 もちろんトマ・ピケティの総括にも触れており、その検証も行っている。トマ・ピケティの総括とはすなわち 「かなりの部分まで、20世紀の不平等を緩和したのは、経済的、政治的な衝撃を伴う戦争

    『暴力と不平等の人類史: 戦争・革命・崩壊・疫病』平等は破壊の後にやってくる - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2019/09/14
    『問題は本の重さだ。老後に備えて肘を鍛えておく必要がある!』が味わい深い(さすがにその頃は電子書籍版出てるんじゃねーか?
  • 『ネオナチの少女』ドイツに根づくナチズムという悪夢 - HONZ

    書の題名は『ネオナチの少女』となっているが、著者のハイディ・ベネケンシュタインは自らを「ネオナチ」とは定義していない。「ネオナチの人々とは、思想も生い立ちもまったく違う」と言い切る。彼女はかつての自分を「ナチそのもの」だと定義する。 現代の若い女性が「ナチ」を名乗るのは少し奇異に感じるが、書を読み進めるとすぐに合点がいく。 彼女の祖母はヒトラーユーゲントの女子部門であるドイツ少女団の出身で現在もナチ信奉者。父は公務員で自信に満ちあふれカリスマ性を持つ男だが、やはりナチの信奉者だ。著者は幼少時よりナチズムの教育を受けて育った。 その徹底ぶりはすさまじく、敵性語として英語の使用が禁止されていたほどだ。さらに幼少の頃から、ヒトラーユーゲントの正統な後継団体であるドイツ愛国青年団で、準軍事教育や思想教育を叩き込まれた。 ドイツ愛国青年団のキャンプに参加する子弟のほとんどが医者や弁護士など中流階

    『ネオナチの少女』ドイツに根づくナチズムという悪夢 - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2019/05/11
    歴史は繰り返す。『そこは組織化されたナチエリートの世界とは地続きながらまったく違う世界だった。』から漂うSA感は異常。ネオナチが政権取ったら長いナイフの夜よろしく粛清されそうだ。
  • 『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』地球レベルの悲観と、事業レベルの楽観と - HONZ

    イノベーションが加速する条件とは何か? 先端テクノロジーの開花か、組織の多様性か、それともポテンシャルのある市場環境か。様々な要素が考えられるが、最も重要なのは人間離れした男たちの、人間らしい競争意識ではないかーーそんなことを痛感させられる。 書は宇宙ビジネスの最前線を描いた一冊である。数多ある類書と一線を画すのは、イーロン・マスクとジェフ・ベゾスーーこの二人にフォーカスを絞っている点だ。二人の胸のうちに肉薄し、対抗意識を物語の構造に織り込んだ。論争、訴訟、そして心理戦による駆け引き。なにより二人のアプローチが対照的なのである。 宇宙への挑戦は、革新と停滞の物語でもある。全世界を熱狂させたアポロ11号の月面着陸から約半世紀。その間、ロケット技術の進歩はほとんどなかったといっても過言ではない。21世紀初頭にロシアと米国で打ち上げられたロケットは、アポロ時代のものと大差なかったという。それだ

    『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』地球レベルの悲観と、事業レベルの楽観と - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2019/01/11
    ベゾスから漂うセシル・ローズ感。「I would annex the planets if I could; I often think of that」と言ってても違和感ねーな
  • 『江戸の目明し』時代劇のファンタジーを吹き飛ばす - HONZ

    銭形平次、人形佐七、三河町の半七…テレビドラマや小説で人気の親分たち。近年では中村梅雀さん演じる黒門町の伝七がよかったなあ。かつて同じ伝七を演じて大ヒットを飛ばした父上・中村梅之助さんから、亡くなる直前に秘蔵の十手コレクションを託されていたとか。劇中で使われていたのがその十手なのかどうかは定かではないが、紫房の十手を大切に神棚に祀る姿は、亡き父上への敬意を胸にこの役を受け継いだのであろうと思われて、なおさら感動し楽しく拝見した。いいねえ、時代劇。江戸の人情。人の世は情。そして正直、まっつぐこそ庶民の心意気…。「よよよい、よよよい、よよよいよい!めでてぇな!」 ところが!岡っ引き、すなわち目明しの実態は、ドラマや小説とはかけ離れているのだという。そもそも十手は用がある時だけ貸し出され、捕り物が済んだら取り上げられるので神棚に祀るなんて無理無理。いやそも、建前では目明しは「存在しない」。いない

    『江戸の目明し』時代劇のファンタジーを吹き飛ばす - HONZ
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    cider_kondo 2018/09/26
    id:kTomoyukiさんのブコメ見て尼のレビュー『唖然とすることの多い本』を読んだら面白かった ※本が面白いという意味でなくレビューが面白いという意味である。念のため
  • 『大英帝国の歴史』イギリスの人気歴史家、ニーアル・ファーガソンの出世作がついに翻訳! - HONZ

    『憎悪の世紀』『マネーの進化史』『文明』などで有名なイギリスの歴史家、ニーアル・ファーガソンの新刊である。最も書は国イギリスで2003年に出版されていた作品だ。連動して制作されたテレビ・ドキュメンタリー『EMPIRE: How Britain Made the Modern World』ではニーアル・ファーガソン自身が番組の案内役として出演し英語圏各国で多くの視聴者を得た。まさに、ニーアル・ファーガソンの出世作といっていい作品なのである。 そのテーマも壮大で、400年に及んだイギリス帝国の発端から終焉までを政治、軍事、経済、宗教と縦横無尽に駆け巡り論じ、ミクロとマクロの視点を交互にしながら、なぜイギリスが大帝国を築くことができたのか、そして、イギリスが作り上げた帝国は歴史上どんな意義があったのかと、問いかけていく。 特に2点目の帝国の意義という問いかけは大変に難しいものであろう。現代社

    『大英帝国の歴史』イギリスの人気歴史家、ニーアル・ファーガソンの出世作がついに翻訳! - HONZ
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    cider_kondo 2018/08/28
    シンガポール陥落、英国的には世界史の一大転換点だと思ってるんだよな/借金力(戦費借入利率)こそが大国の興亡の起源ってのはポール・ケネディ先生が30年前に指摘して大ベストセラーになってる周知の事実では
  • 『進歩 人類の未来が明るい10の理由』悲観に入れ込みすぎないように - HONZ

    ニュース番組を見て憂になる。新聞やインターネットの記事を読んでげんなりする。暗い内容ばかりだからだ。シリア情勢、温暖化、テロに凶悪犯罪、不況、所得格差、貧困、差別、少子化・高齢化、災害。マスメディアは脅威を報道するのが基だし、これらすべて顕在化している問題であるとはいえ、連日こうしたニュースを見ていると、そんなにメンタルの強くない筆者などはすぐ気が滅入ってしまう。ひどい時代に生まれてしまったものだと思わずにはおれない。 そうしていだかれた悲観論に一石を投じるのが、書だ。一言で説明すれば、人類がここ2世紀あまりで飛躍的に進歩し、死のリスクが大幅に低下したことをデータとともに示したである。著者はスウェーデン生まれの作家・歴史家で、グローバリズムと自由貿易の推進を訴え続けている人物だ。書について彼はこう述べる。 現代において、私たちは自分の生活を改善する自由を与えられ、それにより世界を

    『進歩 人類の未来が明るい10の理由』悲観に入れ込みすぎないように - HONZ
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    cider_kondo 2018/06/25
    id:oukayuka<近代的な悲観論の起源は多分マルサス主義で、その後も、いろいろな形で手を変え品を変え、繰り返し再浮上してますね。で、この本含め、「技術進歩で克服可能」という反論も200年間変わらず一貫してますね。
  • 『不合理だらけの日本スポーツ界』日大タックル問題はなぜ防げなかったのか - HONZ

    日大アメフト部による悪質タックル問題がいまだに世間を騒がしている。監督からの直接的指示の有無があったかが最初の焦点だったが、世の中の関心は日大の広報対応や会見の司会者の素性、過去のアメフト部内での暴力問題にまで飛び火した。 もちろん、今回の問題は監督やコーチの属性による部分も少なくないだろう。だが、一方で全てを個人の問題として捉えてよいのか。日の大学スポーツに構造的な問題が潜んでないのか。米スタンフォード大学でアメフトの指導に携わる著者の指摘は参考になるだろう。 書は問題が起きる前に発売されており、今回のような事態は当然ながら想定していない。明らかにプレーに関係ない選手の背中に突っ込む事態を想定する方が難しいだろうが、書を読むと、そうした事態が米国では指導者が間違っても起こそうと思わないことがわかる。厳罰が処せられるため、あまりにもリスクが大きいからである。では、なぜ厳罰が処せられる

    『不合理だらけの日本スポーツ界』日大タックル問題はなぜ防げなかったのか - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2018/05/31
    著者ってhttp://gostanford.com/coaches.aspx?rc=2299&path=football か。凄え/NCAAの起源って「アメフトが死傷者続出の危険競技だったのでなんとかせえと大統領が命じたから」なんで、その歴史的経緯を踏まえるとさらに味わい深い。
  • 『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ

    水・金・地・火・木・土・天・海・冥。かつてそう教えられた太陽系惑星のなかから、2006年に冥王星が除外されたことは記憶に新しい。だがじつは、19世紀後半にはそれら惑星候補のなかにもうひとつ別の名前が挙げられていた。書の主役は、その幻の惑星たる「ヴァルカン」である。 ヴァルカンはその生い立ちからして冥王星とは異なっている。というのも、そもそもそんな星は存在すらしていなかったからだ。では、存在しないものがいかにして「発見」され、そして最終的に葬り去られることになったのか。書は、その誕生前夜から臨終までを、関係する天文学者や物理学者にスポットを当てながら、ドラマ仕立てに描いていく。 ストーリーは、17世紀後半、ニュートン力学の登場から始まる。周知のように、その偉大なる体系は、惑星の運動を含む広範な現象の統一的説明を可能にした。いや、説明だけではない。驚くべきことに、その体系は未知の現象に対す

    『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ
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    cider_kondo 2017/11/17
    でも「未知の天体がある」の方が「大質量は空間曲げるから観測される軌道がずれたように見えるだけなんですよ」よりは普通はとっつきやすいよなあ…
  • 『本屋、はじめました』と『ローカルブックストアである』本屋の仕事の本質は、「待つ」に凝縮されている - HONZ

    荻窪駅の改札を出て、手頃な惣菜の店などが並ぶ庶民的な品揃えの駅ビルを抜けると、目の前はもう青梅街道だ。青梅街道を左折したら吉祥寺方面へと歩きはじめよう。迷ってはいけない。ひたすら歩を進めるべし。ただ駅を離れるにつれてお店も少なくなってくるし、「ホントにこの道でいいのかな……」と次第に不安になってくることはあらかじめお伝えしておこう。 しばらくすると目の前に環八通りとの交差点が現れる。どうかあと少しだけ頑張って欲しい。環八を渡ると、明らかに空気が変わったことに気づくはずだ。駅前の商業地域から住宅地に入ったためだが、それがお目当ての店が近づいたことを示す合図。やがて通りの右側に、年季の入った外壁に青いテントが映える素敵なお店が見えてくる。 ガラス張りの入り口はオープンな雰囲気でとても入りやすい。入るとまず小さな平台が目に留まるだろう。小さいからって侮ってはいけない。好きならそこに並ぶをひと

    『本屋、はじめました』と『ローカルブックストアである』本屋の仕事の本質は、「待つ」に凝縮されている - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2017/04/27
    逆説的に、本屋が商売の構造的に難しいのよく分かる。返本制度で下支えする仕組みがないと成り立たず、そこの機能不全で苦しくなるのが現状か(接客販売の代表例である服や化粧品は単価高いもんなあ…
  • 『ヒットの崩壊』聴取から体験へという大変化 - HONZ

    ラジオ局のプログラムには音楽番組が欠かせない。「電リク」という言葉を最近は知らない人も増えたが、電話でリクエストを受け付ける番組が各局で当たり前のようにオンエアされていた時代があったし、ヒットチャートを紹介する番組はいまも健在だ。 僕自身もそういった音楽番組の制作に携わったことがある。あれはたぶん2000年前後くらいだったと思うが、ちょっとした異変を感じるようになった。電話オペレーターが全員女子大生アルバイトという番組を担当していたのだが、リスナーからのリクエスト曲を聞き取る際、彼女たちが曲名を知らないというケースが増えてきたのである。 リスナーからの電話を受けると、彼女たちはラジオネームや番組へのメッセージ、リクエスト曲のタイトルなどを聞き取ってシートに記入する。それがディレクターのもとに回ってくるのだが、そこにギョッとするような曲名が書かれているのである。 思い出すといまでも動揺を禁じ

    『ヒットの崩壊』聴取から体験へという大変化 - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2017/01/14
    id:sikemok<ただ、SNSの普及で、ブームを大ブームに変えるとか、ブームの出だしを作るとかで、大衆側の関与が増えた気はします。もちろんネット発信のブームでも、相当数には仕掛け人がいるんでしょうけれども
  • 『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である - HONZ

    作者:ロバート・B. ライシュ 翻訳:雨宮 寛 出版社:東洋経済新報社 発売日:2016-12-02 去る12月2日に日財団で行われた「Bコーポレーションを知る会」に出席してきた。Bコーポレーションという言葉は聞き慣れないかも知れないが、アメリカの非営利団体B Labが運営する、社会的責任や持続可能性などを評価する認証制度で、「TransFair」がフェアトレード・コーヒーを認証するのと同じように、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証である。 「B」は「Benefit」(ベネフィット=利益)のことであり、環境、コミュニティ、従業員などの様々なステークホルダーの利益を意味している。アウトドア用品のパタゴニアを始め、現在までに世界50カ国で、約2千社が取得している。日にはまだBコーポレーションのような認証制度は見られないが、日でもB

    『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2016/12/19
    これフクヤマ(元ネタはニーチェだけど)の「最後の人間」を踏まえてこういう邦題にしたんだろうか?/id:myogab<実際は逆に、富裕層が籠もる要塞村を強固にするために武器私有が「活用」されてる気がします…
  • 『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで - HONZ

    『ブルマーの謎』は、最近ではすっかり見ることもなくなった女子体操服の「ぴったりブルマー(密着型ブルマー)」をテーマにした一冊である。長年研究を続けた社会学者が手掛けており、ブルマー研究の決定版とも言える内容だ。しかしこの画期的な研究が始まったのも、ゼミ生たちとの苦し紛れのやり取りから生まれた「偶然の産物」であったという。当時、山ゼミに所属していた小松聰子さんに、ブルマー教授誕生までの秘話を寄稿いただいた。(HONZ編集部) 今、私の中では嫉妬の炎が燃えまくっている 。そう、我らがブルマー教授こと山先生がとうとうブルマーを出されたのだ。これが身悶えずにいられようか。 なぜ、私がこんなにもムズムズとしているのか、それを説明するためには15年以上も前に時計の針を戻さなくてはならない。私は書の著者、山雄二教授のゼミに所属する大学3回生であった。卒業グループ研究のテーマを決める打ち合わせの

    『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで - HONZ
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    cider_kondo 2016/12/12
    記事タイトル見て「いやアメリア(ジェンクス)は教授じゃねえだろ」とかズレまくった感想持ったが書評(と回想)は面白かった/id:vndn<ブルマーは人名ですよ(でも本当に発明した人の名前はミラーですが
  • 『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』 - HONZ

    外来種と言えば、琵琶湖の在来種を脅かすブルーギルやブラックバスが脳裏に浮かぶ。いかにして駆除するか、心ない放流をい止めるか。獰猛な外来種から琵琶湖の自然を守れ。確かにそうだと思う反面(因みに、僕は琵琶湖の外来種の駆除にはずっと賛成している)、何か心にひっかかるものをずっと感じていた。書は、この問題に正面から挑んだ力作である。 冒頭、南大西洋・アセンション島の蒼とした雲霧林(グリーン山)が紹介される。原始の状態が残っていると考えた著者の推測は完全にはずれた。ダーウィンが訪れたときは丸裸の島で人間が持ち込んだ外来種が島を緑に変えたのである。 孤島の生態系は外来種の絶好のカモだという思い込みには根強いものがあるが、島嶼グループを対象にした調査では在来種に重大な影響を及ぼしたものはほんのひと握りで、ほとんどの外来種は多様性を高め生態系を豊かにしていたのである。著者は、オーストラリア、ヴィクト

    『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』 - HONZ
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    cider_kondo 2016/10/02
    http://b.hatena.ne.jp/entry/http://honz.jp/articles/-/43043 本職のバッタさんの『外来種を根絶するのが現実的に不可能である以上、どこかで妥協するしかない。答えは出ない』が至言。本読んでも、それ以上の答案が出せるとは思えぬ。
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    三十路も四十路もまだまだ幼児?『魔女は三百路から』 2018年11月18日 唐突なんですけど、皆さんは「魔女」の存在を信じますか? そう、あの魔女です。御伽話や物語、もちろんマンガの世界でも何度も見かけるあの魔女です。 くしゃくしゃの顔で先端が折れた三角の頭巾とローブを身...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
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    cider_kondo 2016/07/29
    シリーズ構成・赤尾でこ×地方アニメ、ということで某鯖江市方面を連想して怯えていた半年前の自分は何だったのか(あまり関係ない
  • 『ジハーディ・ジョンの生涯』テロへの恐怖が、新たなテロリストを生み出す - HONZ

    鋭利な刃物を手にした黒装束の男と、オレンジ色のジャンプスーツで手を縛られた人質。ネットを通して瞬く間に拡散した、あまりにも残忍な光景を多くの人は忘れることなどできないだろう。 その後、凄惨な行為はフランスを始めとする世界各地へと飛び火し、さらに多くの犠牲者を出すことにもなった。まさにテロの連鎖というべき状況を断ち切っていくためには、我々は何をするべきなのか? そして何をすべきではないのか? むろん、事件の加害者に気持ちを寄り添わせることなど、到底出来はしない。だが犠牲者だけではなく、その事件が起きた社会的な背景にも気持ちを寄り添わせなければ、負の連鎖を断ち切ることは難しい。ただ加害者のパーソナリティに憎悪の気持ちを向けるだけでは、新たなテロリストを生み出してしまうだけなのかもしれない。 書は、後に黒覆面の処刑人として世界を震撼させることになる、「ジハーディ・ジョン」ことモハメド・エムワジ

    『ジハーディ・ジョンの生涯』テロへの恐怖が、新たなテロリストを生み出す - HONZ
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    cider_kondo 2016/07/16
    濡れ衣かと思ったら「実績」あるグループに入ってたと書いててなんだかなあである。当局が「妨害」しなかったら、もっと早く海外に渡航してそこでより強い「影響」を受け、史実よりも展開が加速しただけでは?
  • 『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』解説 by 岸 由二 - HONZ

    現代生態学の核心的なテーマを扱う不思議なが登場した、というと、意外に思われるかもしれない。扱われているのは、自然回復論。外来種をどう理解し、評価するか、未来の自然保護をどのようなビジョンで考えるか、そんな話題ではないか。そのどこが現代生態学の基礎テーマにからんでいるというのだろう。 現代生態学の基礎テーマというと、まっさきに、ドーキンスの利己的遺伝子論や、やたらに複雑な数理生態学のことを連想する読者がいるかもしれない。それはそれで、正しいのだが、自然回復、自然保護などを扱う生態学のいわば道における基礎テーマは、すこし焦点が違う。きわめて重要な領域なのだが、とくに日の生態学の領域ではなかなか話題にするのも難しく、わかりやすい専門書もほとんどないのが実情だ。そんな、わかりにくい世界について、「外来種をどう評価するか」という現代保全生態学

    『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』解説 by 岸 由二 - HONZ
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    cider_kondo 2016/07/14
    よく分からないけど害虫は外来種だろうと在来種だろうと駆除すればいいと思う(田舎並感
  • 史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - HONZ

    君は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons :以下D&D)を知っているか。 D&Dは紙と鉛筆とサイコロ、世界観や数値が記載されたルールブック、それに自身の想像力/対話を駆使して複数人で行うテーブルトークアールピージー(以下TRPG)である。1974年に発売された作は世界中で流行し、プレイヤーが冒険者になりきってファンタジー世界を探索する世界初のロールプレイングゲームと呼ばれる。数えきれないほど多くのクリエイターが作から受けた影響を表明しており、TRPGをやったことがなくともD&Dの名は知っている人も多いだろう。 ゲイリー・ガイギャックスはこのD&Dを生み出した人物であり、書はそんな偉大な男の伝記である。これがもう、めちゃくちゃおもしろい。その人生は波乱万丈。幼少期からゲームにのめり込んで高校は中退、仕事ゲームをやっていてクビになる。独創的なゲーム・アイデ

    史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 - HONZ
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    cider_kondo 2016/07/06
    でも現在の用語だとナードじゃなくギークだよな、どう見ても/「娘が彼氏と別れてもゲイリーはその元彼とRPGを続ける」から漂う天性の公私混同オーラ。そりゃ会社追われるよなー、という気分になる(本当
  • 人間らしさあふれる伝記 『ムハンマド─世界を変えた預言者の生涯』 - HONZ

    ムハンマド、あまりに人間らしさにあふれているではないか。といえば、不謹慎になるのだろうか。抜群に面白い伝記であった。イスラームの開祖、より正しくは、アラブにおける唯一神アッラーの言葉をつたえた預言者ムハンマドの伝記である。その啓示は、クルアーン(コーラン)としてムハンマドの死後20年たって公式に編纂され、聖典となった。いかにたくさんの人が、クルアーンの朗読に圧倒されてイスラームに改宗していったかに驚かされる。 クルアーンの内容の一部が紹介されているが、どこがそんなにすばらしいのかがわからない。当時のアラビア半島における社会状況もあるのだろうが、どうやら、それ以上にクルアーンの美しい響きが重要らしい。だから、クルアーンはアラビア語でないとダメなのだ。YouTubeで聞いてみると、意味がわからなくとも心地よい。砂漠のような環境で、美しい調べにのって語られる、住みよい社会を目指す教えというのは、

    人間らしさあふれる伝記 『ムハンマド─世界を変えた預言者の生涯』 - HONZ
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    cider_kondo 2016/03/04
    まあジャーヒリーヤの頃の女性の扱い無茶苦茶だしなあ。「生まれた子が女の子だからといっても殺しちゃ駄目だよ」とかそんなのがスタート地点だった割には頑張ったとは思う
  • 『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』“でっちあげ”ふたたび - HONZ

    『でっちあげ』というノンフィクションを知っているだろうか。詳しくは私のレビューをお読みいただきたいが「モンスターペアレント」という言葉ができたのはこの事件からだった。学校に対して理不尽な無理難題を突き付け、わが子可愛さに教師ばかりか教育委員会、果ては市や県にまでクレームをつけ、裁判にまで持ち込む。それが正当なものならわかるが、嘘八百を並べ立てていた事件である。 長野県の丸子実業で起こった「いじめ殺人事件」も、このモンスターペアレントが起こした事件であった。 2005年12月、軽井沢に隣接している長野県御代田町で丸子実業高校(当時)に通う高校1年生の男子が自殺した。母親は所属していたバレーボール部内部でいじめがあったことを苦にしていたと証言し、気持ちを書きとめていたノートには「いじめをなくしてほしい」という記述もあった。事実、夏から不登校が続いていた。少年には声が出にくいという障害があり、そ

    『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』“でっちあげ”ふたたび - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2016/03/04
    「どっちが正しいか分からない」派の人は「少年に対する虐待、ネグレクトが推測され」をどう解釈してるのか気になった。そこも事実でないと思っているのか、(いじめと同様に)因果関係は不明と思っているだけなのか。
  • 『モンスターマザー』長野・丸子実業「いじめ自殺事件」、加害者と被害者が入れ替わるまでの全て - HONZ

    一晩で一気に読み終えたのだが、背中からは嫌な汗が流れていた。とても、他人事ではいられない。こんなことが起こりうるなら、普通に暮らしている人がある日突然、殺人犯に仕立てられても、全然不思議ではないだろう。自分の中で想定していた、世の中に対する前提条件が、もろくも崩れ去っていくような印象すら受けた。 「丸子実業高校バレーボール部員自殺事件」は、2005年にバレー部に所属していた同校1年生の高山裕太君が自殺した事件である。当初、運動部内でのいじめを苦にしていたことが原因とされており、母親はむせび泣きながら学校の対応不備を訴え、その後、母親側の代理人が校長を殺人罪で告訴するまでに至った。 しかし実態は、まるで違ったのである。2008年に長野地裁が下した判決では自殺の要因がいじめであったと認定されず、逆にバレー部から母親側への「精神的苦痛」に対する提訴については全面的に認める判決が下された。 書は

    『モンスターマザー』長野・丸子実業「いじめ自殺事件」、加害者と被害者が入れ替わるまでの全て - HONZ
    cider_kondo
    cider_kondo 2016/03/04
    ウィキペディア見ると「母親と弁護士に」元校長への賠償と謝罪を命じたとあり、リンクされてる母親ブログを読みに行くと「なるほど…」という感じ。http://honz.jp/articles/-/42440 が詳しい、というか怖い。