2020年の「岩手県妊婦殺害・死体遺棄事件」では、夫が妊娠中の妻を絞殺し、死体を山中に遺棄した。事件の背景にはなにがあったのか。長年にわたり加害者家族を支援し、『家族間殺人』(幻冬舎新書)を書いた阿部恭子さんは「『クルマと家庭があってこそ一人前』という地方の常識が、夫を追い詰めていったのではないか」という――。(第3回/全3回) 失踪したと見せかけて妊娠中の妻を殺した30代の男性 (第2回から続く) ――『家族間殺人』では、妻からのDVやモラハラに悩む男性が利用しやすい窓口の必要性を訴えていますね。 「岩手県妊婦殺害・死体遺棄事件」の加害者家族のサポートを経験して、そう感じました。 2020年10月、妊娠していた妻の死体遺棄で、30代の男性が逮捕されました。男性の兄から相談を受けた私は、逮捕の翌日、岩手県奥州市に向かいました。男性の無実を信じていたのは、家族だけではありません。男性が勤務し
![「クルマと家庭があってこそ一人前」妊娠中の妻を手にかけた夫が固執した"地方の常識" 離婚はできないから殺すしかない](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c9f2004852a2c824b1340259e364646035c59836/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F2%2F1200wm%2Fimg_a24e1177e2fa8e42dbf316faed35cd8c1009463.jpg)