大半の日本人は、先祖供養は仏教本来のものであり“シャカの教え”であると信じています。またお盆の墓参りなども、仏教の習慣そのものであると思っています。 しかし、ほとんどの日本人が持っているこうした常識は、実は大きな錯覚なのです。このように言うと、おそらく多くの方々はびっくりされるでしょうが、先祖供養もお寺にある先祖代々の墓も、毎年定期的に行われるお盆の行事も、シャカの教えとは無関係なのです。まず、この点について見ていくことにしましょう。 仏教はシャカの悟りから出発した“シャカの教え”であることは、今さら言うまでもありません。その仏教は「輪廻思想」を大前提としています。シャカは、生・老・病・死という“四苦(しく)”は人間の宿命であり、この世に生まれて生きること自体を苦しみとしました。シャカはこの世を苦しみの世界ととらえたのです。その理由は、私達が人間として生きる現世は「輪廻」というサイクルの中