デジタルツールが次々と登場する一方で、模型などのアナログツールは役割を終えるどころか、むしろ表現力を高めて進化している。リアルを介したやり取りが、人の心を動かす最後の一押しとなる。 「新型コロナウイルス禍が落ち着き、計画を再開するプロジェクトが増えた。そんな中、模型を使ってリアルな形で相手に伝えることの重要性が増している」。こう語るのは、隈研吾建築都市設計事務所(東京都青山区)の寺澤剛設計室長だ。 寺澤氏は、隈事務所で2016年に発足した模型制作の専門チームを主導する立場にある。模型チームは、23年6月時点で9人が所属する。 隈事務所は模型チームの他に、コンピュテーショナルデザインなどの3DCG制作や建築パースの制作を手掛けるCGチームも抱える。デジタル技術の進化に対応し、積極的に取り入れようとする姿勢が見られる。 それでも、寺澤氏は「プロポーザルやコンペなどの重要な場面で模型を見せたいと
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