天台宗の総本山で世界遺産に登録されている比叡山延暦寺(大津市)で、本堂の国宝・根本中堂(こんぽんちゅうどう)が約60年ぶりに改修される。約10年かける大事業で、修理中も本堂を公開する予定だ。2年後の着工を目指して準備している。 延暦寺は標高848メートルの山頂近くにあり「論湿寒貧(ろんしつかんぴん)」と言われる。「論」は経典の意味を論じることで、「湿」はくぼ地にあり湿気が高いことを意味する。 改修される根本中堂は幅約38メートルで、高さと奥行きがそれぞれ約24メートル。湿気対策のため土台に高さ50センチまで石を積み、回廊の柱は植物性油に松ヤニを混ぜて塗装する「チャン塗り」と呼ばれる手法でできている。今回の修理は本堂と回廊の屋根の葺(ふ)き替えと、朱色が剝落(はくらく)した柱や天井の塗り直しが中心となる。 徳川家光が1642年に再建し… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお