日本最大の指定暴力団山口組を実質支配する弘道会系フロント企業「ケープロジェクト」が8月、東京・麻布十番の高級マンションから拠点を移した。入居から約3年。組事務所としての使用差し止めを求め結束した住民の努力が実った形だ。背景には警察と連携し、民事介入暴力に奔走する弁護士の後押しがあった。しかし、ケ社は現在、台東区内の雑居ビルに登記を移して活動を始めており、警視庁は警戒を強めている。 麻布十番の住宅街に建つマンションの2LDKの部屋をケ社が購入したのは07年7月。代表者は弘道会小松組組長だ。警察当局は小松組を弘道会の東京進出の先兵役とみておりケ社をそのフロント企業と認定している。 弘道会は山口組トップの篠田建市(通称・司忍)組長とナンバー2の高山清司若頭の出身組織。構成員数は約4000人。「反警察」の姿勢を末端まで徹底させて捜査員との接触を禁じているため、警察も実態をつかむのは困難だ。