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ブックマーク / www.anlyznews.com (14)

  • 雇用改善しているのに、景気が良くない気がする理由

    金融政策の転換と言う意味でのアベノミクスで景気が回復したような話を良く見かけるのだが、色々と考えると同意しづらい所は多い*1。リフレ派の皆様も、デフレに戻ったので景気対策が必要と言っているので、実のところアベノミクスの成果をそんなに認めていない。なぜ、雇用が良い*2のに、景気が良くない気がするのであろうか。既に反安倍の人々が指摘している事を、請け売りしたい。つまり、高齢化に伴い介護サービスの従事者が増えている一方で、その他の就業者数が以前の水準に回復しているわけではないからだ。 1. 雇用をひっぱる福祉・医療分野 「第12回改定日標準産業分類別就業者」の業種別就業者数のうち、製造業、建設業、福祉・医療の変化を見てみよう。 福祉・医療の従事者数は2002年から2016年までの間、景気の影響を受けずだいたい同じペースで伸び続けている。ここから、2013年4月からの異次元緩和などの影響は受けて

    雇用改善しているのに、景気が良くない気がする理由
    curion
    curion 2017/03/12
  • 数学の有用さを語る前に読んでおきたい「実験数学読本」

    定期的に、数学は何の役に立つのかと分からないと言っている人の話を見かける。四則演算ぐらいならば万人が使うし、多少は高度な解析学や線形代数も研究職や技術職ならば避けては通れないのは周知なのではあるが、そのような発想にいたった理由も分からなくも無い。数学が独立した科目として成立しているため、学習中に現実の事象との接点が見えないのであろう。なお悪い事に高校までの物理は、なるべく数学に依存しないように工夫をしてしまっている。数学は何かと役立つと力説していても、実際に自分が数学と現象をどれぐらいつなげられるかを考えたときに、心もとない人々は少なくないはずだ。 1. 事象と実験を数理につなぐ そんなあなたの数学有用論に広がりを持たせてくれる便利なが出ていた。「実験数学」だ。「真剣に遊ぶ数理実験から大学数学へ」と副題がついているが、身近な事象や簡単な実験結果を、数理的に解析していく方法を大雑把に

    数学の有用さを語る前に読んでおきたい「実験数学読本」
    curion
    curion 2016/09/17
  • 私は数式アレルギーの文系でして(ヘラヘラ

    数学ガール」で有名な文筆家の結城浩氏が『「私は数式アレルギーの文系でして」とへらへら笑う大人に耳を貸すな。』と言うエントリーをあげている。嗚呼、これ私のことだなと思った。難しい数式は読む気もないし、しっかり数学を学ぶ気は無い人で、ある意味、標準的な成人だ。数式を見ていると、息切れ動悸で苦しい。数式を見ていなくても、最近、そういう気がするが。さて、批判されている人々を勝手に代表して、返事を書いてみたい。 1. 数学を学ぶ機会は理文ともに限られる 「あなたはどんな意味でそれを言ってるの?」と言う問いがあるのだが、“文系”と言うところで難しい数学を使って説明されても理解するような学問的修練を積んでおらず、“数式アレルギー”で数学が出てくると強いストレスを感じる事を明言している。私に何かを理解させるとして、数学を使わないで済むのであれば、その方が望ましいと言うことだ。安息するために言っているわけ

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  • 三歩ひいてディープラーニングを見つめる

    ディープラーニングと言う言葉を目にした人は少なくないと思う。人工知能に分類される一つの技術だが、ニューラルネットワークと言ういかにも人工知能といった名称の数理モデルを駆使しているところから、人々の興味関心を強く引いているようだ。これ自体は悪い事では無いが、実態以上に評価しようと画策する人々が出てきており、ディープラーニングが注目された翌年から第3次人工知能ブームが始まったかのような言説を見かける*1に、流行を作りたがる業界病を感じざるをえない。当にブームなのか。報道だけ先行しているのではないのか。騙されないように、最低限の知識は入れておいた方が良さそうだ。 1. 計算機に方法を問わず推論をさせる技術 人工知能は誤解されやすい分野で、そもそも人工知能と言う単語自体が映画やアニメなどの創作物の影響で、往々にして誤解されている。確かに、1950年代に人間の思考パターンを真似る方向で人工知能研究

    三歩ひいてディープラーニングを見つめる
    curion
    curion 2016/06/28
  • プログラマは高校数学を学んではいけない

    プログラマーとして社会人になったけど高校数学を1から独学している」と言うエントリーがあがっていた。基礎を固めるべく数学を独学しているそうだ。立派だと思うが、高校数学と言うのにひっかかる。授業時間の制約などがあり、変に範囲が狭くなっているものを学習する必要があるのであろうか。実のところ難易度はそうは変わらないので、大学生向けのテキストを読むべきだと思う。 高校数学で教えている内容は、色々と歪になっている。数学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのような不自然な区分けがあるし、都合によりε-δ論法のように避けて通っているものがある。応用面を考えると、テイラー展開はもちろん、微分方程式も学んだ方が良いし、線形代数が無いのは良くない。複素平面と線形代数の両方を教えるつもりだったのに、予想外に時間数が削られてしまい線形代数が無くなったような風聞がある。中途半端なのは教育効果を考えたものですらないのだ。高校に行列があった頃も

    プログラマは高校数学を学んではいけない
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    curion 2016/05/21
  • 空っぽのリベラルの心に魂を埋めるために

    で「リベラル」を自称する人々の思想的背景は、大学で習うような伝統的な哲学や倫理学とは関係がなく、社会運動をしていく中で培われたモノだと言って良いと思う。この傾向に問題を感じる「リベラル」もいるらしく、その主張を正当化するために倫理学方面の議論を参照しようとしているのだが、浮いた感じの議論になっていて宜しくない。流行りものに取り付かれていて、伝統的議論からの乖離してしまっている。少しはまともな議論が出来るように、簡単な文献を紹介してみたい。 1.『倫理学の話』 最初に読むべきは『倫理学の話』だ。2015年11月に発売された新しいで、かなり意欲的な構成になっている。倫理学者が書いていて、記述が平易で、辞書的に使える。功利主義など伝統的な議論はもちろん、ロールズ、リバタリアニズム、「NHK ハーバード白熱教室」に出演していたサンデル教授のコミュタリアン、そしてデリダまでが──普通の話をして

    空っぽのリベラルの心に魂を埋めるために
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    curion 2016/01/09
  • 東浩紀のゲンロンは日本から消滅すべき

    産経毎日新聞で批評家・作家の東浩紀氏と社会学者の開沼博氏の『脱「福島論」往復書簡』が掲載されていた。開沼氏は、福島県外の非当事者からの原発災害に関する意見に「ありがた迷惑」なものが多くあり、無自覚にそれを行わないようにして欲しいと訴えている*1のだが、それに東氏は『発言の権利がある人とない人を、誰かに「迷惑」か否かといった基準で分割する、乱暴な発想』と批判している。東氏は、開沼氏に「外から乗り込んできて福島を脱原発運動の象徴、神聖な場所にしようとする」のが迷惑だと宣言されて、「福島第一原発観光地化計画」が否定されたように感じて傷ついているようだ。計画が被災者のためになるか、迷惑になっても実行する価値があることを主張すれば良いだけ*2なのだが、発言権が取り上げられたように感じているらしい。 1. 発信をすれば批判は避けられない 東氏の開沼氏への批判に無理がある。開沼氏は「ありがた迷惑」行為者

    東浩紀のゲンロンは日本から消滅すべき
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    curion 2015/12/13
  • これから「殺人」の話をしよう

    あなたは何を元に善悪の判断を下しているのであろうか。信条を直感的に参照している人が多いと思うが、その信条が適切なものか考えたことの無い人は多いであろう。左派やリベラルを自認する人々には、特にそういう人々が多いように思う。 「直感的な価値規範の問題なので論理的議論は難しい」と開き直る人もいるのだが、中心となる倫理から、具体的な行為における規範を説明するぐらいはして欲しい所だ。実際に、倫理学者の間では有名な功利主義者のピーター・シンガーの名著『実践の倫理』を読んでみると、ある程度は論理的に説明されることが分かる。 書は教科書的ではなく、90年代(そして今でも)話題になる倫理的なトピックを取り上げたものだ。前半と後半で議論の流れが違うのだが、前半の選好功利主義の立場から、いかにも論争を呼びそうな畜産、中絶、嬰児殺し、安楽死などが議論されている部分の議論は参考になる。キリスト教の戒律などの他の倫

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    curion 2015/11/21
  • 数学では何を学ぶべきか

    題名からすると数学の実用方法が書いてありそうな『数学をいかに使うか』は、数学徒における「使う」の意味について考えさせられるだった。数学では何を学ぶべきか、何を教えるべきかが書いてある。「使えない数学は教えなくてもよく、学ばなくてもよい」そうだ。偉い先生が書いたらしく、歯切れが良い。著者の志村五郎氏は、著名な数学者である。 内容は、線形代数からメタプレクティック群まで大学で習う数学の概観が説明されている。物数系でもないと知らない事が多くトピックが広いように思うかも知れないが、上手くそれぞれの関連が説明されるので繋がりが良く分かる*1。証明や(模範解答なし)問題はあるので予習や復習にもなる。外積代数で迷子になった人は、第4章まで読むと考えがすっきりするかも知れない。しかし、決して学習教材ではなく、著者流の学習ガイド、もしくは数学教育に関する随筆である。 「使う」の意味なのだが、数学として発

    数学では何を学ぶべきか
  • 何が狂っているのか分かる「フランス現代思想史」

    フランス現代思想に詳しい文芸評論家が社会問題等を語るのを見て、稚拙に感じた人は多いのでは無いであろうか。「脱構築」な聞きなれない単語を並べて来る一方で、歴史や制度や技術に関する知識が心もとない。一方で、論理が飛躍するし、矛盾した主張もされることがある。断片的な知識を入れると、言葉の端々から連想される結論に飛びついてしまう。ほんわかしていて批判に備える殺伐感が無い。 激しい教養の欠如を感じるわけだが、一体、何を学んだらこういう風になるのか疑問だった。ラカンやドゥルーズやデリダの文章を読めば分かるのかも知れないが、根的に間違っていそうな話を延々と読むのはつらい。放置していたのだが、新書なので手軽に読める「フランス現代思想史」と言う概説書が出てきた。著者はドイツ哲学が専門で、英米系哲学の講義もして来た人で、フランス現代思想のタコ坪に入っていない専門家になる。 タイトル通りの内容ので、良く参照

    何が狂っているのか分かる「フランス現代思想史」
  • エッジが立ったガチ教科書だった「父が息子に語るマクロ経済学」

    マクロ経済学者の齊藤誠氏の「父が息子に語るマクロ経済学」を、ふとした切っ掛けで手に取ってみた。タイトルから議論の踏み込みの甘い啓蒙書かと思っていたのだが、想像とは大きく異なるものになっていた。父と子の対話でカジュアルなイメージを醸し出してはいるが、内容はしっかり標準的なマクロ経済モデルに基礎を置いている。また、いわゆる教科書と比較すると、モデルの選び方やデータにつけた注釈に個性や主張があって、かなりエッジが立っている一冊になっていると思う。 1. 非マクロ経済学徒でリテラシーが高い人向け 書の対象読者は、微分を使う程度ではあるが数学の知識がある、当の意味でリテラシーが高い、まだマクロ経済学を勉強していない人々になっていると思う。そういう人々にニーズがあるかが問題になるが、誰しもマクロ経済の影響は受けるし、SNSを見るかぎり政治学や社会学を専攻する人々も関心は高いようだ。狙いはそれらリテ

    エッジが立ったガチ教科書だった「父が息子に語るマクロ経済学」
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    curion 2015/04/09
    良さそう> 本書の対象読者は、微分を使う程度ではあるが数学の知識がある、本当の意味でリテラシーが高い、まだマクロ経済学を勉強していない人々
  • 江戸しぐさが道徳の教科書に載るようになった理由

    失われた江戸時代の礼儀作法と見せかけて自己流マナーを押し付けようとする、擬似史学の代表例になった感のある「江戸しぐさ」だが、その問題の構図について書籍化されていたので拝読した。「江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統」は、「江戸しぐさ」がいかに荒唐無稽な偽史学を論拠する道徳であることを指摘するだけではなく、その成立や普及についても検証を重ねた上で、教育現場からの排除を主張しているだ。前半は江戸文化の薀蓄として面白く、後半も偽歴史がいかに形成されたか社会学的に興味深い。ただし、教育現場へ浸透した理由は、もう少し掘り下げても良いのでは無いかと思った。 教育に偽の歴史を使ってはいけない。虚偽を根拠に道徳を説くべきではない。ゆえに「江戸しぐさ」は教育現場から排除すべきだ。これら著者の主張には強く賛同する。しかし、道徳教育の場に「江戸しぐさ」が入り込んだ理由について、考察が十分ではない気がす

    江戸しぐさが道徳の教科書に載るようになった理由
    curion
    curion 2015/01/27
  • 経済学を知ったかぶりするための独学方法

    すらたろう氏が独習者のためのおすすめ経済学入門テキストを紹介しているのを見て、ask.fmを始めたところ、経済学研究科に行かないで経済学を学ぶ方法を質問されたのを思い出した。 用途が分からないのだが、SNSで聞かれたのでSNSで使うための知識なのであろう。主に文系学問を学んできた人が、インターネットの交流サイトで経済学を知ったかぶりするための独学方法を考えてみたい。 1. 基礎的な数学を学ぶ 経済学は言葉として数学を利用しているため、ある程度の数学の知識が必要だ。記号の意味ぐらい分からないと、読み飛ばしもできない。しかし経済学の教科書の数学の説明は極端に省略されているので、やさしめの数学書を読んだ方が理解が深まる。線形代数、集合、位相、解析のイロハを学ぼう。 一般教養数学を履修していなかった人は、『微分・積分30講』と『線形代数30講』を読んでおく方が良いと思う。だらだら読んでいても一ヶ

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  • 錯視まで詰まった「逆説論理学」

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