増補 ケインズとハイエク―“自由”の変容 (ちくま学芸文庫) 作者: 間宮陽介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/11メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 52回この商品を含むブログ (26件) を見る 1989年に出たものの増補版。各章で議論の雰囲気がそれぞれ大きく異なり(例えば第3章は思想・哲学的な論調だが、第4章は経済学的、そして終章は一転、社会学的な論調になる!)、頭を切り替えるのが結構大変だったが、なかなか勉強になった。 第2章「自由主義と自由放任主義」、第3章「ハイエクの自由論」の各章が特に面白かった。古典的自由主義といわゆる新自由主義との違いが理解できる。ハイエクの自由主義思想も、けっこう奥が深そうだ。また第4章「自由のディレンマ」では、貨幣経済論にのみ限定してケインズを論じている。そのためこの章でのケインズ論は、ハイエク思想を体系的に論じた第3章との対比には
2007年05月01日00:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 書評 - オックスフォード・サイエンス・ガイド 初掲載2007.03.05; Amazon販売開始につき再掲載 これはすごい。 オックスフォード・サイエンス・ガイド Nigel Calder / 屋代通子 訳 [原著:Magic Universe - the Oxford Guide to Modern Science] [築地書館のページ] 重さも、厚さも、値段も--そして面白さも。 本書「オックスフォード・サイエンス・ガイド」は、英国屈指のサイエンスライターであるNigel Calderの大エッセイ集の全訳。主人公は建前では現代科学なのだが、本当は現代科学者たちである。 本書がドシャメシャのは、その網羅度。これが単著というのが信じられない凄まじさである。以下の目次を見れば、それがわかる。あまりに分量があるのでsi
2007年03月05日05:00 カテゴリ書評/画評/品評Math 書評 - 数学入門 以前書評を予告しながらまだ書評していなかったのだけれど、「文化としての数学」(これまた光文社新書)も復刻されたので年貢をおさめておきたく。 数学入門 遠山啓 404 Blog Not Found:急がば微積本書は、遠山啓の「数学入門」(上下)あたりと一緒に読むことをお薦めする。そう。この「数学入門」も書評の対象なのだけど、体調不如意につき今晩はこれまで。 本書「数学入門」は、タイトルどおりの本。岩波新書でこういう直球のタイトルがついたものはまず外れがないのだけど、その中でも傑作中の傑作がこれ。なにしろ私が生まれる10年前に出版されて、それが未だに元のまま、遠山啓が亡くなった今も版を重ね、Amazonでも「在庫あり」なのだ。 中学を登校拒否している間、本書が私にとっての数学教師だった。だから本書が21世紀
エラー内容 以下のいずれかの理由により、該当するコンテンツを表示することができませんでした。 コンテンツの公開が終了した。コンテンツが削除された。 指定したURLが間違っている。その他、やむをえない事情があった。 ご不便をお掛けして申し訳ございません。 何卒よろしくお願いいたします。 イザ! イザ!トップへ戻る
Economist誌の前編集長(元東京支局長)とジャパン・ウォッチャーとして知られる証券アナリストの対談。内容は常識的だが、これが日本の常識がどれぐらい違うかをみるために、日本経団連の「御手洗ビジョン」と比べてみた。 今後の大きな変化がグローバル化と人口減少だという点では、両者の見立ては一致しているが、それに対する考え方は対照的だ。財界が中国やインドの追い上げを強調し、研究開発に政府から補助金をもらって製造業の競争力を強化しようとするのに対して、外人2人はもう「額に汗して働く」時代ではないと断じ、中国やインドとの国際分業を進めるべきだとする。今後の成長産業はサービス業であり、日本の経済力はドコモやイオンがどこまでグローバルなプレイヤーになれるかで決まる。 政治との関係では、「御手洗ビジョン」が行財政改革を強調し、消費税の引き上げを提言するのに対して、外人は財政再建なんてどうでもいいと一
2007年03月03日19:20 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 書評 - 超精密計測がひらく世界 この話題が好きな人は、こちら。 超精密計測がひらく世界 計量研究所 編 シム宇宙の内側にて あれ、アボガドロ定数っていくつでしたっけ?とりあえず本文に入る前にひっかかりを覚えてしまいました。アボガドロ定数ってこんな値でしたっけ? 「すげえ」の連続。 本書「超精密計測がひらく世界」は、「原器の守り神」である計量研究所のスタッフが入れ替わり立ち代わり計量の最先端について語った本。「メタルカラーの時代3」もあわせて読むと、その超絶さをさらに味わえる。 目次 第1部 人間の世界を計測する 第2部 極小の世界を計測する 第3部 超大な世界を計測する 第4部 ゼロの世界を計測する さらばキログラム原器原器という人工の物体に頼った「キログラム」の定義はもはや時代遅れだ。不変の自然定数に基づいて質量
−−この作品は、「約束」「小ぬか雨」「思い違い」など、江戸の橋を舞台にした10の物語を収録しています。そして、遠藤さんのエッセイは巻末に掲載された『父と娘の「橋ものがたり」』。『橋ものがたり』に因んで、お父様との思い出が書かれているのですね。 遠藤さん 『橋ものがたり』は、父の作品の中で、私が一番好きなものです。今回、そこにエッセイを書くお話をいただいて、親と一緒に1冊の本に載せていただき、すごくうれしいことだと思っています。 装画も、父の本の表紙をずっと描いてくださっている蓬田やすひろさんが新しく書き起こしてくださったもので、父の作品のイメージがよく現れているなぁと、とても良い本にしていただきました。 今回エッセイのお話をいただいた当初から、私は作品についての解説を書くことはできないと思っていました。父の作品は読者の方それぞれがイメージを持っていらっしゃるでしょう。私が何か言って、そのイ
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アメリカよ、美しく年をとれ スポンサード リンク ・アメリカよ、美しく年をとれ アメリカ史の大家 猿谷要教授の最新刊。なんと御年83歳である。渡航が制限されていたため意外にも43歳ではじめて渡米。それ以降、アメリカの大学に在籍して歴史を研究し、日本に大国アメリカの光と影を紹介してきた。自身が体験した戦後の古きよきアメリカから、次第に軍事力を背景にした帝国主義に染まりつつある今のアメリカまでの変遷を、回想で辿る。 共同通信の調査によると、世界で最も悪い影響を与えていると見られている国としてアメリカはイランについで第2位だそうである。過去に学ばず、大義なき戦争を繰り返している。 「おそらくアメリカ人の多くは、今の超大国のまま永遠に続くと考えているかもしれない。ちょうどローマ帝国の人たちと同じように。」 「しかし今のように他の国から嫌われたまま初老を迎えれば、やがて世界に老醜をさらすようなことに
2007年03月02日01:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 書評 - 早わかり物理50の公式 たまにはこういう軽めのも。 早わかり物理50の公式 保江邦夫監 / 岡山物理アカデミー編 物理と聞いただけで胃がもたれた方でも安心。 本書「早わかり物理50の公式」は、高校から大学の教養課程程度の範囲までの物理を、50の公式で見てみようという企画。編集者の「岡山物理アカデミー」は、どうやら岡山県の高校物理の先生方の集団らしい。「高校生の文章読本」を彷彿とさせる。 その50の公式の全リストがこちら。 目次 - BOOK倶楽部を追補 ドウニモトマラナイ公式...慣性の法則 航空母艦の公式...ガリレイ変換 物理学入門公式...等加速度直線運動 バンジージャンプの公式...落体の公式 はじめての宇宙公式...ケプラーの第1法則 地ならしの公式...ケプラーの第2法則 蜃気楼の公式...屈折
IT(情報技術)バブルの絶頂から、ソニーショックと騒がれる苦闘の日々まで――。 ソニー(6758)の経営を10年間担った出井伸之氏が口を開いた。 「時代の変わり目に立ち会った経営者として、自分の経験をすべて書き残すべきだ」。 こう判断した出井氏が、本に書き切れなかったこととは何か。 ソニー時代と日本の将来について、その思いを聞いた。 NBオンライン限定の特別インタビューとして紹介する。 (聞き手は日本経済新聞記者 宮東 治彦) ―― まずは今回、なぜこの本を執筆されたのか、経緯を教えていただけますか。 出井 僕がソニーの経営に携わった1995年から2005年というのは、ものすごい激動の10年だった。日本は不況のどん底に転落する10年だったし、技術的にはインターネットが出てきて、世の中を大きく変えようとしていたわけですよね。 またそういう中で業界構造も大きく変わろうとしていた。僕が当時日本人
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