ディスるわけではありません。ユーザーや関係者の期待は大きかった。しかし、しかし……。“がっかりな”モデルを紹介していきます。健筆振るうはおなじみ岩貞るみこさん。年末年始の読み物「期待外れの車」シリーズ、好調。 ホンダ『NSX』が持つべきものは物語だ。1990年に初代が出たときは、打倒ヨーロッパの高級スポーツとして、日本中の期待と浪漫が注ぎ込まれたはず。開発には、アイルトン・セナや中嶋悟がたずさわり、登場を待つあいだ期待に胸がめちゃくちゃふくらんだ。 発売されたときの、あの高揚感。まるで日本中のクルマ好きが気持ちをひとつにしたような一体感すら生まれ、発売されてからもその威光は消えることなく、大盛り上がり。大和魂が刻み込まれた歴史に残るクルマだったはずだ。 2006年に惜しまれつつも姿を消してから10年後の再登場。その間、世界の経済状況やクルマをとりまく社会も変わったとはいえ、あのNSXである