富田耕生が語る“声優業半世紀” テレビアニメや外国映画・ドラマの吹き替えなど、50年以上活躍してきた声優の富田耕生さん。長いキャリアのなかでも、富田さんの吹き替えの代名詞といえるオスカー俳優アーネスト・ボーグナインが1980年代に出演した米テレビシリーズ「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」。そのブルーレイBOX発売を機に、28年ぶりに追加収録された吹き替えで健在ぶりを発揮した富田さんに“声優業半世紀”を聞いた。(取材・文:岩崎郁子) ■芝居の原点は人間観察 かつて声優の多くがそうだったように、富田さんも振り出しは芝居だった。名バイプレイヤーとして知られる山谷初男さんらも所属していた劇団東芸で舞台役者として、まず教えられたのは人間観察だったという。「作家から『劇団に通う電車で見る(見ず知らずの)同じ人を、1か月くらい追いかけてこい、どこに行って、どんな商売をしているのか。人を見る目を養え。人には