2013年12月8日。いつかは、この日が来ると思っていた。 いや、正直に言えば、浦河町の優駿ビレッジ・アエルの放牧地で静かに時間を過ごしている同馬を見るたびに“そのとき”が刻一刻と迫ってくることを実感していた。 28歳。1998年のアエルオープン当初からシンボル的存在として、ずっと彼はここにいた。 アエルの歴史は、そのまま功労馬としてのダイユウサクの歴史でもあった。 放牧地では少し足を引きずりながら、いつも2歳年上のニッポーテイオーのそばにいた。べったりとくっついているというわけではなく、適度な距離を保ちながら、まるで頼るかのように。 6月12日という遅生まれゆえに、牧場時代はいつも体の大きなほかの馬にいじめられるような存在だったという。気性が荒々しいというわけではないのだが、どこか人にもなじまず、孤独を愛する馬で、朝、厩舎から出されるときよりも、夕方、厩舎に戻る方が生き々々としていたそう