「脱成長せよ」「トップ1%が搾取」「格差と不幸の元凶」ーー。「資本主義」は今、左派から右派からも猛烈な批判にさらされています。 しかし、これらの批判は本当に妥当なのでしょうか? イーロン・マスクが「これは名著!」とX上で珍しく絶賛し、大きな注目を集めている1冊の本があります。歴史学者ヨハン・ノルベリが上梓したその本によれば、「統計や各種エビデンスをみれば、昨今のアンチ資本主義論はほぼすべて間違い」とのこと。そして、資本主義による経済成長こそが世界の各種課題を解決し、社会を改善してきたし、これからもそうである、とノルベリは主張します。 9/30に日本語版が刊行された『資本主義が人類最高の発明である』(ヨハン・ノルベリ著)より、同書の翻訳を務めた山形浩生氏による7000字解説をお届けします。
As it’s currently imagined, the technology promises to concentrate wealth and disempower workers. Is an alternative possible? When we talk about artificial intelligence, we rely on metaphor, as we always do when dealing with something new and unfamiliar. Metaphors are, by their nature, imperfect, but we still need to choose them carefully, because bad ones can lead us astray. For example, it’s bec
グレーバーが示した「もう一つの道」 かれの死は、そんな未到の高みにまで上昇していく知的冒険の只中のものだった。 その死を悼む声は世界中から響いてくる。研究者のみならずかれに接してきた世界中の闘う人々からである。かれの知的活動は「この道(資本主義)しかない」というポスト冷戦イデオロギーに断固として抗い、人類のもつはてしない可能性を開いてみせるものだった。かれの仕事に専門領域を超えた普遍性を与えていたのは、その可能性への確信だったことはまちがいない。 その早逝がアカデミズム内外の人々にショックを与えている理由のひとつは、かれが「これからはじまる時代」の人だったことである。かれは、崩壊しつつあるこの世界の行く末にわたしたちが慄くなかで、広大な視野と強靱な知性の裏づけをもって楽天的に来るべき世界の礎をこつこつと築いていた。その途上だったのである。 それでも、かれの教えてくれたものは多くの人の胸に残
いつも旅が終わらぬうちに次の旅のことを考え、隙あらば世界中の海や山に、都会や辺境に向かう著者。とは言っても、世界のどこに行っても自己変革が起こるわけではなく、それで人生が変わるわけでもない。それでも、一寸先の未来がわからないかぎり、旅はいつまでも面白い。現実の砂漠を求めて旅は続く。体験的紀行文学の世界へようこそ。 アルセニオスは突如として漆黒の表情を浮かべて静かに語り始めた。「先月に彼女は死んだんだ」と。予想もしない話に僕は「え...?」と言ったきり何も言えなくなる。 コーンロウスタイルの黒髪と褐色の肌を持つアルセニオスは、たった1時間前にハバナのホテル街の外れで出会ったばかりの青年だ。オレンジの花が描かれた黒いTシャツを着ている。もし彼に日本で出会っていたら、遊び人風情の若者だと思っただろう。そういう軽さが彼にはある。 アルセニオスの恋人はトーカという名前の日本人だった。4年前、彼女は友
環境への影響、ジェンダー差別、能力主義、監視資本主義……資本主義の限界が議論されています。しかし、資本主義の次にどこに向かうべきかを私たちは知りません。特に資本主義が終わった後の社会において、私たちがどのようなデザインを作り出すのか、それを想像することが難しい。今回のnewQ Studyでは、マシュー・ウィジンスキーのDesign after Capitalismを読み進めながら、参加者たちと一緒に、資本主義の終わりの後のデザインの可能性について語り合いました。本レポートでは、読書会の一部を紹介します。 興味をもった方は、ぜひ本書を読んでみてください。このレポートで紹介しているのは本書のごく一部です。また、以下のサイトで本の概要やガイドがまとめられています。 PART 01|WHY:なぜ私たちは資本主義の後のデザインを考えるべきなのか?まず、Design after Capitalismで
8/5(土)お腹を触れば体調がわかる、思ったことを言ってほしい 『さわれば分かる腹診入門』を読み終わった。腹診とは日本の漢方で独自に発達した診断方法で、お腹の温度、柔らかさで内蔵の状態を把握する技術である。素人でも触れば違いがわかるので、日頃の体調把握で重宝する。有名なのが下腹部の「丹田」で、ここが冷えていたりフニャッとしていたら疲れていると思ってよい。 腹診で把握できる体質にいくつかタイプがある。ストレスを受けて消耗したとき、どういう反応がお腹に出るかで分類する。「腹直筋が硬くこわばる怒りやすくなるタイプ」「丹田が弱くなる冷えタイプ」などなど。それぞれ対策をするためのツボが紹介されていて、自分で指圧やお灸をして対処する。 お灸をしなくても湯船に浸かるだけでよくなることもある。冷え性の場合は腰を温めるのも大事である。 www.ato-shoten.co.jp 🪿🪿🪿 私は高校生の文理
先日、ヨーロッパから多くの研究者が来日し議論をしましたが、アート、エステティックス(美学)の重要性が一貫した主題でした。Stockholm School of Economicsでは、ビジネススクールのトップがアートを中心にしたビジネススクールを作ると言って活動しています。寄附を募り作品を購入し、アーティストに制作を依頼しています。別の友人もLund大学で、Center for Aesthetics and Business Creativity (ABC)を立ち上げようとしています。EUはNew European Bauhausというプログラムで、持続可能な社会を目指してグリーン・ニューディールを進めていますが、技術的な解決を求めているのでなく、「文化」を作ることを狙っています。そのため審美的(aesthetic)な側面が強調されています。EUは、今後自分たちが勝てる領域として、文化や美
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仲俣暁生さんのツイートを見て、若者に、カネはなくても時間があった時代のことをふと思い出した。 とりわけ文化的だったとは思わないけど、我々が若い頃は、カネはなくても、ほぼ無限に時間が有り余っていた。その余裕こそが社会の豊かさだったのかも。当時も批判的にも使われていたモラトリアム(支払猶予)という言葉は完全に死語になった感アリ。いまは即金で支払わされる。 https://t.co/3TwuIuj0m0 — 仲俣暁生(『失われた「文学」を求めて』続編企画中) (@solar1964) April 8, 2023 私の大学時代も概ねそうだったと言え、今日は疲れていると感じたら一日じゅう寝ている日があった。どうしても攻略したいゲームがあるわけでもないのに朝から晩までゲーセンにいて、所在なく、「ひまつぶしのために」ぼんやりパズルゲームを遊んでいた日もあった。 無限に時間があったわけではないが、なんにで
アートの必要性について語り合う京都大学経営管理大学院の山内先生と、日立の平井、丸山 サービスデザインからアートへ丸山: なぜビジネスにアートが必要なのか、と平井も私もよく問われるのですが、そもそもアートとは何なのか、教養の話ではないのか、などが私たちの中でも明確になっていません。そんな時に先生が「Kyoto Creative Assemblage」を始められたので、鼎談を通して解決の糸口を見つけられたらと考えています。まずは先生のバックグラウンドからお話しください。 山内さん: 高校生の時にゼロックスの本を読んでコンピューターサイエンスに憧れて、京大でコンピュータサイエンスを専攻し、修士課程で組織論との境界領域を研究しました。組織論で博士号を取るためにアメリカのUCLAのビジネススクールに行きながらゼロックスのパロアルト研究所にも出入りし、4年目に社員になりました。 2010年に京都大学に
資本主義社会が拡大すれば、感覚が鈍化すると考えたマルクス 「君が食べたり飲んだりを少なくすればするほど、そして、本を買ったり劇場や舞踏会や居酒屋に行くのを控えれば控えるほど、また考え、愛し、理論化し、歌い、描き、詩作するのを抑えれば抑えるほど、それだけ君の節約度は高まり、虫にも埃にも侵されない君の宝が、君の資本が、大きくなる。」 これは、カール・マルクスによる『経済学・哲学草稿』(1844年)からの一節である。マルクスといえば言わずと知れた『資本論』等の共著者で、資本主義システムの構造の解明に努めた。そのマルクスにとって、人々(特に労働者)の身体、感覚や感性のあり方は、資本主義社会を分析するにあたり重要な要素の一つであった。マルクスによれば、19世紀半ば以降、資本主義社会が拡大していく中で、人々は資本を増やすために、感性を満たす、または磨くこと—例えば外食や読書、観劇など—をしなくなる。マ
資本主義をスローダウンさせる思想 近年「加速主義」という考え方が注目を集めている——それは、人工知能や自動化といった技術発展を加速させ、テクノ資本主義を際限なく推し進めた先に、現存する民主主義とは異なる新たな秩序の獲得を試みる「ダーク」な思想として紹介されることが多い。 SFじみた突飛な思想に聞こえるかもしれないが、世界に目を向ければ、同様の考え方に基づいて政策を打ち上げる政治家や加速主義的な可能性に言及する科学者などは、少なくない。 こうした一見「危うい」思想を目の当たりにして、それに対する反動のように、より人道的だと想像される「減速」を掲げたムーヴメントが流行するのは、ごく自然な流れだろう。スローフードにスローライフ、エコでオーガニックな田舎暮らしや、地域アート・地産地消などに代表されるローカリズム運動……こうした動きは、地球上のいたるところに散見される。 こうした「減速」の思想は、一
訳者あとがき 単行本 - 人文書 旧東側の女性は西側の女性に比べてセックスの満足度が高かった!? 『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』より訳者あとがきを一足早く公開! 高橋璃子 2022.05.19 私たちが日常で感じているモヤモヤを吹き飛ばしてくれるような、とびきり刺激的な本が届きました。女性が経済的に自立できるような仕組みをつくり、新しい社会変革を模索すれば、仕事とプライベートのバランスも改善されて、さらにはセックスの質まで向上させてくれる。それはなぜーー? 男性にとっても女性にとっても生きやすい、より良い未来を考えたい人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。5月27日の発売に先駆けて、高橋璃子さんによる訳者あとがきを一足はやく公開します。 あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない 訳者あとがき 本書は、社会主義国の恋愛や暮らしを手がかりに、資
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