福井県警坂井署の男性警部補(56)が暴力団による恐喝事件の被害者の居住地に関する情報を外部に漏らし、23日付で停職3か月の懲戒処分(同日に依願退職)を受けた情報漏えい事件。 被害者が身を寄せていた県外の知人宅に複数の暴力団組員が押しかけ、被害届の取り下げを強要するという、あってはならない事態を招いた。被害男性から情報漏えいの指摘を受けながら県警は、約6年間も放置し続けるなど失態を重ねた。 2007年10月、暴力団組員3人から恐喝事件の被害届を取り下げるよう脅された被害男性は福井署に相談。「暴力団は自分が交通違反をしたことを知っていた。県警の中に暴力団に情報を流した人がいる」。 県警監察課は、警部補を割り出し、暴力団関係者との接触の有無や口座の出入金を確認したが、本人への事情聴取は行わずに08年7月頃に捜査を事実上終結。10年9月には警部補の地方公務員法(守秘義務)違反容疑が時効を迎えた。