現状では根本的な改善方法がないダウン症。京都大の研究グループが発見した新たな化合物「アルジャーノン」は、将来的には胎児期にダウン症を改善できる可能性がある。だが、妊婦への投薬やダウン症の治療には倫理的課題もあり、実用化には時間がかかりそうだ。 「将来的には薬の開発を目指すが、妊娠女性への投薬や胎児治療は慎重にならざるを得ない」。研究グループの萩原正敏・京都大教授(化学生物学)は強調した。 ダウン症は、妊婦の羊水や血液から胎児の染色体異常を調べて判明する。平成25年に始まった新出生前診断の受診者は毎年増え続けており、開始から4年間で計4万4645人が受診したという。 また、染色体異常の疑いがある「陽性」と判定され、さらに別の検査に進んで異常が確定した妊婦の94%が人工妊娠中絶を選んでいた。 新出生前診断は「命の選別」につながるとの懸念もある。だが、今回の研究によって、新出生前診断を受けて胎児
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