ハナガサクラゲは、繊細で美しいが危険という、相反する特徴を備えている。海底近くで色鮮やかな触手を揺らして魚をおびき寄せると、毒のある刺胞で仕留めるのだ。 Olindias formosus 傘径10センチ PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER 不気味、ぐにゃぐにゃ、冷たい、脳がない、魅惑的……。クラゲの不思議さを言葉で表現するのは難しい。体の構造を見ると、脳ばかりか血液も骨格もなく、原始的な感覚器官しかない。そして、分類学的に見ると、クラゲは種類の異なるいくつかのグループに分けられる。 「クラゲ」と総称される生き物は、互いに近縁関係にないものが多い。生物の系統樹において完全に異なる系統に分類されていて、生息する環境もさまざまだ。海面近くを好むクラゲもいれば、深海に生息するもの、さらには淡水域で暮らすクラゲまでいる。 こうした異なる生き物をひとくくりに「クラゲ」
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