◇小さな公立・成功の鍵 秋田市郊外にある1学年150人の大学が全国の教育関係者から注目を集めている。04年に開学したばかりの「国際教養大学」。少子化で地方の小さな大学が苦戦する中、成功の秘訣は?【井上俊樹】 ◆4年で卒業半数以下 メタセコイアの木陰の芝生に設置されたテーブルを囲む学生たち。留学生や外国人教員の姿も目立つ。四方を森に囲まれた国際教養大のキャンパスは、アメリカの田舎のカレッジのようだ。地元の秋田杉をふんだんに使った教室では、日本人の男性教員が英語でアメリカの社会福祉政策について講義していた。1クラス平均15人前後の少人数教育。教員との距離は近く、マンモス大学の教室で見られるような、居眠りしたり、メールしたりする学生の姿はない。 最大の特徴はすべての授業が英語で行われることと、在学中に1年間の海外留学を義務付けていることだ。このため、入学後はまず英語力を磨くための集中プログラムか