最近、テレビ番組の企画をきっかけに「濃いアニソンとはなにか、そもそもアニソンとは」という議論が起きていた。 アニソンとはアニメ作品に使用される楽曲の総称なので、特定のジャンルを指すものではなく、したがってこうあらねばならないという定義もしづらい。アニメ作品の一部として機能していればいいわけで、時代ごとに使用楽曲に傾向があったことは確かだが、今では多彩な音楽ジャンルがアニメに使用される時代になってきている。 そんなアニソンを拡張する存在として、渡辺信一郎監督がいる。渡辺監督はとりわけ音楽のチョイスにセンスのある作家であり、音楽を映像に従属させるのではなく、互いに平等な存在として「セッション」させることで新たな化学反応を引き起こすことに長けている。 渡辺監督の最も有名な作品は『カウボーイビバップ』だろうが、その次回作となった『サムラチャンプルー』の斬新さと世界に与えた影響の大きさは無視できない