基礎生物学研究所は10月11日、海産動物の「クシクラゲ」の2個体が融合して、1個体のように振る舞う現象を確認したと発表した。体の一部が傷ついた2個体のクシクラゲを用意し、一晩たったあとに確認すると、高確率で融合個体を作成できたという。 クシクラゲは「クラゲ」と名前に付いているが、刺胞動物のクラゲ類とは別のグループに属する。クシクラゲは「有櫛(ゆうしつ)動物」に属し、地球上に現存する全ての動物の中で“最も原始的な動物群”といわれている。一方で、高度な神経系や筋肉、消化器を持つなど、さまざまな生理学的な振る舞いも示すという。 今回、ある研究員がクシクラゲの一種「Mnemiopsis leidyi」(ムネミオプシス・レイディ)を入れていた水槽で、口を2つ持つ異様に大きな個体を偶然発見した。これを見た研究員たちは「別々の2個体が1個体に融合したのでは」と推測。さまざまな実験をしたところ、体の一部を
