ありがとう、はやぶさ――。 7年ぶりに地球に舞い戻ってきた小惑星探査機「はやぶさ」。カプセルの切り離し成功という信号が13日、はやぶさを運用する宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(神奈川県相模原市)の管制室に届くと、管制チームから一斉に拍手が巻き起こり、こわばっていた複数の顔が笑みではじけた。 カプセルは午後7時51分に自動的に分離するように、はやぶさ本体にあらかじめプログラムされていた。約30人の管制チームは、分離信号が送られてくる管制室のパソコン画面を取り囲み、その瞬間を待った。 「分離実行」を意味する信号が届いたのは、ほぼ予定通りの時刻。インド上空で分離したと見られ、張りつめた空気に包まれていた管制室は一気に沸き立った。 管制チームは、誤った信号が送られてきた可能性も捨てきれないと、カプセル分離で起きるはやぶさの姿勢のぶれも慎重に確認したが、十数分後に確実に分離されていることが判明し