◆断定を避けた都の教材 「江戸から東京へ」と題する東京都教育委員会作成の教材が都立高校に配布され、今春から必修となった日本史の授業で使われている。「幕藩体制の成立」から今日の「国際都市・東京」までの400年の歩みが教科書風に書かれ、大人が読んでも勉強になる。 注目したいのは、「第二次世界大戦と太平洋戦争」のところに掲載された「ハル=ノートとマッカーサー証言」というコラムだ。 「ハル=ノートの原案を作成した財務省特別補佐官のハリー・ホワイトは、ソ連のスパイの疑いがあるとして非米活動委員会に出席しており、ハル=ノートの作成にソ連が関わっていたとする意見もある」 「連合国軍最高司令官であったマッカーサーは、戦後のアメリカ議会において、日本が開戦したことについて『in going to war was largely dictated by security.』と証言しており、この戦争を日本が安全