富士川汚泥、発生源は山梨 投棄の凝集剤と一致 生態系への影響深刻【サクラエビ異変 母なる富士川】 サクラエビの主産卵場の駿河湾奥に流れ込む富士川中下流域の広範囲に堆積している粘着性の汚泥の成分が、富士川に流入する山梨県の雨畑川で採石業者が約8年にわたり不法投棄していた高分子凝集剤入りポリマー汚泥の成分と一致したことが17日、東京海洋大と静岡新聞社が協力して行った分析で判明した。山梨県は2019年6月、行政指導で採石業者に野積みの汚泥を撤去させ、事態の幕引きを図ったが、対応の検証を迫られるのは必至だ。 少なくとも2011年9月から続けられていた高分子凝集剤入りポリマー汚泥の不法投棄の瞬間=19年4月、山梨県早川町の雨畑川(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から) 研究者は、粘着性汚泥が富士川の生態系に深刻な影響を及ぼしていると指摘。採石業者は魚毒性物質を含む複数の凝集剤を使用していたことが判明し