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ブックマーク / oda-senin.blogspot.com (24)

  • 『市民活動資料』収集・整理・活用の現場から(追記11月25日)

    日、「『市民活動資料』収集・整理・活用の現場から—法政大学大原社会問題研究所環境アーカイブズ、立教大学共生社会研究センター、市民アーカイブ多摩」に行った。一番印象深かったのは、なぜこれらの活動が2000年代に始まったのかという話しである。その後にNPO法人市民科学研究室の人たちとも話したのだが,次のような要因が複合的にからんでいるのではないかということになった。 1)1960年代の高度経済成長期以降の矛盾やそれへの対応を要求する運動が一段落し、当事者が亡くなったり世代交代したりしたこと 2)20世紀のうちは公的セクターがある程度対応したりもしてきた部分がNPMにより成果主義に陥り対応できなくなったこと 3)阪神淡路などの大災害に対するアーカイブ活動が注目されたこと 要するに,これらの資料は20世紀中盤から後半にかけての激動の時代に直接市民が経験したことを発信する行為が記録されたものだった

  • 北海道の図書館アーカイブ探究の旅(9月8日追加)

    研究者は研究費がないと研究できないかといえばそんなことはないのだが、研究費がつけばそれが何らかの研究意欲を加速することになる。2022年度から日学術振興会科学研究費に基づく5年計画の研究「マージナルな歴史的記憶を負荷された地域アーカイブ研究」(22K12717)を始めている。昨年度は福島をフィールドにして最初の研究調査を始めた。また、研究方法についてはまったく新しいものを提案することもあり、次の3つの論文発表や講演を行ったり、これから行う予定である。 「地域アーカイブの実践を福島に見る: 集合的記憶をさぐるための方法的検討」『日の科学者』vol.58, no.5, 2023年5月, p.4-10. 「図書館が地域アーカイブ機関であること」2023関東地区公共図書館協議会研究発表大会, 2023年6月28日. 「ナショナルアーカイブと地域アーカイブの間:図書館情報学概念の整理」日図書館

    北海道の図書館アーカイブ探究の旅(9月8日追加)
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/10/28
    “「図書館員は専門家たるべし」ということである。「専門職」ではない。…日高地域の町立図書館の職員の専門性は明らかに当該地域にある。”
  • 計量経済学的手法による図書館貸出の影響分析(大場博幸論文について)

    9月28日夕方に専修大学で日出版学会出版産業研究部会主催の大場博幸氏(日大学文理学部)の「公共図書館の所蔵および貸出は新刊書籍の売上にどの程度影響するか:解説と補足」と題するセミナーが開かれて出席した。これは、『日図書館情報学会誌』掲載の同氏の論文を元にするもので、すでにそれについてはこのブログで触れたが論文自体についてはコメントしていなかった。論文はまだエンバーゴ期間中であって、会員であるか、図書館に行かないと読めない。 大場博幸「公共図書館の所蔵および貸出は新刊書籍の売上にどの程度影響するか:パネルデータによる分析」日図書館情報学会誌/69 巻 (2023) 2 号 大場氏の論文は、ある程度こうした計量的な分析に慣れていないとなかなか読みこなすのは難しいものだが、私も含めて一般の人にも分かりやすい解説がされていてありがたかった。約1時間の解説はいずれ動画として公開されるそうなの

  • 新刊『図書館情報学事典』の構想と執筆項目

    来る7月に日図書館情報学会編『図書館情報学事典』(丸善)が刊行される。(タイトルをクリックすると丸善のHPからこの事典の詳細な目次入りのリーフレットを見ることができる。)この事典の編集責任者を務めたので、自分自身で書いた項目についての若干の解説をしてみることで、この事典のコンセプトと売りの部分を書いてみたい。 書の特徴丸善は以前からさまざまな学術分野の事典を刊行してきた。ここ20年ほどそれは同じような体裁の『○○学事典』というタイトルで出ている。同時期に日霊長類学会編『霊長類学の百科事典』、小松久男編者代表『中央ユーラシア文化事典』、日平和学会編『平和学事典』が出るようだ。いずれも、見開き2ページ(一部は4ページないし1ページのものもある)でまとめられ、そうした項目が300前後で構成され、それに引用参照文献、事項索引、人名索引がつけられて、700ページから800ページ程度の中事典で

    新刊『図書館情報学事典』の構想と執筆項目
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/06/23
    “電子書籍版があるが、それがPDFで提供されていることの問題点である。電子書籍版においても索引はテキストでしかなくて、本文と直接リンクされていない”
  • 学校図書館支援のためのエビデンス——SLILの学校図書館政策に関する講演③

    SLILの学校図書館政策に関する講演シリーズ ① アメリカのスクールライブラリアンは何をしているのか?(4月9日) ② 図解「地域学習リソース拠点の必要性」(4月13日) ③ 学校図書館支援のためのエビデンス(4月14日、この項目) SLIL講演を振り返って、学校図書館を国の教育政策として位置付けるための具体的方策についてもっと考察すべきと考えた。それは、参加者の事後アンケートでも望む声が少なくなかった。そこで、今後どのような実践とそれに関わる研究が必要なのかについてメモしておきたい。大きくは理論的研究と実践研究、それらを基にした政策提言という順序で進める必要がある。 1)理論的研究学校図書館教育課程に寄与するという場合に、そこにある資料や情報を収集・管理・提供するという機能を示すだけでは十分ではない。それでは何が可能か。以下は半ば思いつきではあるが重要な理論的研究のテーマである。 ・ジ

    学校図書館支援のためのエビデンス——SLILの学校図書館政策に関する講演③
  • 図解「地域学習リソース拠点の必要性」:SLILの学校図書館政策に関する講演②

    三回のシリーズの2回目である。 ① アメリカのスクールライブラリアンは何をしているのか?ーSLILの学校図書館政策に関する講演 ② 図解「地域学習リソース拠点の必要性」:SLILの学校図書館政策に関する講演(この項目) ③ 学校図書館支援のためのエビデンス——SLILの学校図書館政策に関する講演 講演会「学校図書館改革を戦略的に考える:探究学習、教育DX、情報リテラシー、読解力...」の記録と事後アンケートのまとめがSLILのHPにアップされた。 講演サイト:https://sites.google.com/view/slil-inquiry/home記録:https://drive.google.com/file/d/1b18cL_D6FWdkTdUfCpax1k60kfRzlhC6/view事後アンケート:https://drive.google.com/file/d/1Wb3ysRJ

    図解「地域学習リソース拠点の必要性」:SLILの学校図書館政策に関する講演②
  • アメリカのスクールライブラリアンは何をしているのか?ーSLILの学校図書館政策に関する講演①

    去る3月26日にSLILの場で学校図書館政策に関する講演の機会をもった。このあとお話しした内容とその場でのやりとりを補う目的で、十分にお答えできなかったことについて三回にわたって追加情報を提供したい。 ① アメリカのスクールライブラリアンは何をしているのか?ーSLILの学校図書館政策に関する講演(この項目) ② 図解「地域学習リソース拠点の必要性」:SLILの学校図書館政策に関する講演 ③ 学校図書館支援のためのエビデンス——SLILの学校図書館政策に関する講演 ここでは、アメリカの経験主義の授業で学校図書館がどのように使われるのかという質問をいただいたので、Youtubeの動画から関連のものを探してリンクを貼った。けっこう面白いのでご覧いただきたい。 英語の動画も、英語の字幕をつけるだけでなく日語に翻訳した字幕(変なところもあるがそれはご愛敬ということで)を付けることができるようになっ

    アメリカのスクールライブラリアンは何をしているのか?ーSLILの学校図書館政策に関する講演①
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/05/05
    「教師が児童生徒に問いかけを行い、疑問や課題を引き出し、それをベースにディスカッションや作業、調べ物などを行わせる…まったく自由に考えさせるのではなくて大枠での理解の水準の確保を求めます」
  • NDLデジタルコレクションについてのあれこれ

    国立国会図書館のデジタルコレクションが、昨年暮れから今年の初めにかけてさらにヴァージョンアップされました。それは全文テキスト検索とそれによるスニペット表示が可能になったこと、そして、50コマまでの複写が可能になったことです。全文テキストというのは、資料の版面からスキャンして得た画像からOCR技術を通じて文字を抽出して作成するものです。これによってテキストに含まれる文字列での検索が可能になります。従来、書誌事項(タイトルや著者名など)や目次(これが検索対象になったことも重要だが)からの文字列が対象だったのが、文が検索対象になったことは革命的なものをもたらします。今まで見えなかったものが見えるようになったということです。ただし、検索結果の表示は1行程度の部分的なものです。これは、著作権法(47条の5)に基づく措置です。また、50コマまでの複写が可能になったことも特筆すべきことです。だいたい1

    NDLデジタルコレクションについてのあれこれ
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/03/15
    出てないのか「適合度計算のアルゴリズムは公開されていないのか。もしされていないなら図書館という機関の検索は透明であるべきでは?」「重み付け等について公開されていない」
  • 軽井沢風越学園の図書館教育コンセプト

    ようやくここを訪ねることができた。話しに聞いていた「図書館を大事にした学校」。ここ何年か学校図書館が戦後教育改革において重要な位置付けにあった痕跡について研究しているが、そこで、「図書館教育」という試みがあって、カリキュラムの展開に大胆に図書館のことを入れようとしたが、結局のところうまくいかなかった。それがなにゆえなのかがずっと気になっていた。そういうなかで、GIGAスクールでもなければ、国際バカロレアでもない試み。いったいそこで何をやっているのか。それはたった数時間の滞在で当のところを理解できるわけではないだろう。しかしながら大きな期待を抱かせるものであった。その一端を伝えようと思う。 風越学園とはどんなところかすでにメディアやネットでこの学園の試みは伝えられているので、最初はそこからイメージをつくり出してみよう。基的な情報はWikipediaにある。軽井沢といっても、駅からバスで3

    軽井沢風越学園の図書館教育コンセプト
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/03/03
    書架は大事“ライブラリーのところだけに本があるのではなく…図書館学校が埋め込まれているといったのは、教科の枠はゆるくて自分で課題を見つけて作業を行う過程で図書館の本への自然なつながり”
  • ChatGPTは図書館の敵か?

    ChatGPTという質問応答型のAIサイトが話題になっている。たとえば、朝日新聞Web版には次のような記事が出ている。(https://digital.asahi.com/articles/ASR2B52W9R28UHBI024.html) >ChatGPTが変える検索 グーグルは守る闘い、日「蚊帳の外」(松尾豊・東京大学教授 聞き手・真田嶺, 2023年2月13日 17時00分) > 米新興企業「オープンAI」が開発した対話型の人工知能AI)「ChatGPT(チャットGPT)」が世界で大きな話題となっています。ロイター通信は、金融大手UBSの分析として、昨年11月末に公開されてからわずか2カ月で、月間アクティブユーザーが1億人に達したと報じました。このユーザー数は、人気の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」でも9カ月かかったとされています。そもそもチャットGPTのどのよう

    ChatGPTは図書館の敵か?
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/02/20
    “3日前には何度やっても数値を返すことはなかったから、この間に何かの変化がある。”
  • 『アーカイブの思想』のその後 ①

    2021年1月に拙著『アーカイブの思想:言葉を知に変える仕組み』(みすず書房)が出てから1年8ヶ月ほどが過ぎた。過去、ブログではいただいた書評に対する応答を3回行った(2021-04-28,2021-09-24,2021-09-24)。ここでは、その後、発表された書評に応答し、出版後のあれこれについて報告しておきたい。 まず、書はおかげ様で現在第4刷りになっている。専門書価格帯のとしては比較的売れたのはたいへん有り難いことである。購入していただいた方には感謝申し上げたい。当初、みすず書房の営業担当者から書名のどこかに「図書館」を入れるように強い要望があったのは図書館市場を意識してのことだったが、敢えて入れないことを選択した。その意味でも、安堵している。なぜ、入れなかったのかはこのあと触れたいと思う。 その後の書評についてこのを書いたことでいろいろなレスポンスをいただいた。書評はすでに

  • 『私たちが図書館について知っている二、三の事柄』批判

    10月16日付け朝日新聞の書評欄に標記の(中村文孝・小田光雄著、論創社, 2022年8月刊)の書評が出た(https://book.asahi.com/article/14744652)。「とんでもないを手にとってしまった」で始まる記事の書き手はサンキュータツオという人である。これを要約しておこう。 図書館の数は1970年代からの半世紀で4倍近くになったのに対して、書店は、1990年代以降減り続けている。年間の書籍販売部数よりも図書館の個人貸出冊数の方が多くなった。の購入はアマゾンをはじめとするネット購入と「公営無料貸屋」である図書館が代行するようになった。こうなった理由が、図書館流通センター(TRC)のMARCの利便性にあるが、図書館が自らの存在意義を再定義し損ねた部分もあり、それによって職員は嘱託で済ませ専門性を育めることもない。おしゃれで新刊雑誌や書籍をお茶を飲みながら読める

    egamiday2009
    egamiday2009 2022/10/27
    対談は鬼門。
  • 「学校教育情報化推進計画(案)に関する意見募集の実施について」への意見

    「学校教育情報化推進計画(案)に関する意見募集の実施について」(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000235000)の締切が5月20日ということなので遅ればせながら、ぎりぎりで意見を送ろうと思い作文しました。(5月16日) 第1改訂 第3段落目の「理由」を加え、部分的に修正しました。(5月17日) 第2改訂 理由の7)の挿入を初めとした部分的修正をしました。(5月19日) 最終 文章を整えて提出しました。(5月20日) ーーーー<最終案>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 図書館の研究者です。『情報リテラシーのための図書館』(みすず書房, 2017)『教育改革のための学校図書館』(東京大学出版会, 2019)などの著書があります。 【提案の骨子】 「学校教育情報化

    egamiday2009
    egamiday2009 2022/09/25
    “公立図書館と学校図書館とを統一的に学習情報資源提供の場と捉えて、すでに存在する情報資源、資料や人的資源とを統合的に活用する”
  • 図書館市場についてのケーススタディ

    日、郵便物で「岩田書院新刊ニュース 集成版 2021.6-22.04」という冊子が送られてきた。歴史書の出版社岩田書院の新刊の案内DMなのだが、これに「裏だより」というのがついていていつもつい読まされてしまう。この出版社は社主岩田博氏が『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 』(無明舎)というを書いているように、一人で経営していること、そしてその舞台裏を明かしながら経営していることが特徴だ。『地方史研究』とか『アーカイブズ学研究』といったときどき見ている雑誌はこちらが版元だったとは今日この冊子をまじまじと読むまで気づかなかった。 今回の「裏だより」に「品切れ続出」という記事がある。出したばかりで品切れになってしまった図書が4点挙げられている。もっと売れたはずなのに売り損ねたという扱いだが、そこで注目したのはそれぞれに刷り部数が書いてあることだ。以前から出版の経済学の必要性を唱えていたが、

    egamiday2009
    egamiday2009 2022/06/30
    “300部に対する図書館での購入割合は57.6%であった。”
  • 国立国会図書館デジタルコレクションの凄さ

    のデジタル化が遅れているという認識の下に、国がデジタル庁をつくって音頭取りをするというご時世だが、国がやっているデジタル関係の事業で文句なくすばらしいと言えるものは国立国会図書館(以下NDL)のデジタルコレクションのサービスである。これは私が同館に関わりがあることを差し引いても断言できる。そしてこれが来年からさらに拡張されて、誰もが来館せずにネットアクセスできることになっている。このことはあまり知られていないのでここで自分で利用した体験を含めて紹介してみたい。 これまでのデジタルコレクション制度の概要国立国会図書館は国の唯一の法定納図書館である。法定納制度は、国内で新しい出版物を出したらそれを同館に納入することを出版者に義務付けるものなので、同館には国内出版物が網羅的に所蔵されていることになる。もちろん実際には出版物の定義の問題があるし、制度の実効性の問題があり、納入されていないも

    国立国会図書館デジタルコレクションの凄さ
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/01/04
    ですね。
  • IBDPの「知の理論(TOK)」「課題論文(EE)」が図書館情報学に示唆するもの

    日(2021年11月13日)の三田図書館・情報学会研究大会で表記の発表を行った。オンラインでの画面共有ができず、皆さんに助けていただきながらの発表だった(冷汗)。司会の福島幸宏さん、事務局の宮田洋輔さん、助け舟を出してくださった池谷のぞみさんには感謝申し上げたい。 ここでは、予稿集の原稿、パワーポイントのファイル(読み上げのノート付き)をダウンロードできるようにしておく。今回、発表時間が15分しかなかったので原稿を読むことにした。ほぼ読み上げノートと同じ内容の口頭発表を行っている。 質疑でのやりとりについて、一部補足しながら再現しておきたい。 1)強調したい点などがあったら補足していただきたい。 予稿集の原稿で強調したが口頭であまり触れられなかった点として、国際バカロレアのカリキュラムは西洋の知的伝統である人文主義(フマニタス)の思想をそのまま継受しているが、図書館情報学も同じ系譜のなか

    egamiday2009
    egamiday2009 2021/12/05
    “授業科目数が多すぎる…西洋では思考法を学べば知識そのものは網羅的に学ばなくともよいという考え方であるのに対し、東アジアでは知識内容の網羅的な習得と再現が重要という、知識観の違いに基づく”
  • 戦後学校図書館政策のマクロ分析

    2021年日図書館情報学会研究大会にて、表記の発表をした。 その発表論文はここに置いてある。 また、使用したパワーポイントファイルはここに置いてある。 次の質問を受けたので補足しつつ回答しておく。 ①教育課程行政への位置づけについての考えを示してほしい 学校図書館教育課程の関係について、すでにいろいろと研究がされていることは知っている。ここで言いたかったことは、研究の成果が内輪向けのものであってはならず、教育学研究者のコミュニティと共有されるような性格のものになっていくべきだということだ。具体的には、探究学習をするのに教室外の情報源へのアクセスは必須でありそのために学校図書館が存在するということを説得的に主張するために、教科教員と協力してカリキュラムを策定して、チームティーチングをしたり学習支援したりして、それを評価するといったような研究だ。そういう研究成果を教育学系の学会で発表するこ

    egamiday2009
    egamiday2009 2021/10/29
    “中等教育、高等教育とも主体的な学習者を生み出さずに終わってしまう。探究学習や学校図書館に期待をもつのはそれらと違った論理をもって今のメディア環境に対応できる「独学の人」を生み出す”
  • 「アーカイブ」と「アーカイブズ」は違う

    探究を世界知につなげる:教育学と図書館情報学のあいだ 表題の論文が5月中旬に出版されることになっている。それに参加した感想をここに残しておこう。それは今までにない学術コミュニケーションの経験であったからである。 大学を退職したあとのここ数年間で,かつてならできないような発想で新しいものをやってみようと思った。といってもまったく新しい...

    「アーカイブ」と「アーカイブズ」は違う
    egamiday2009
    egamiday2009 2021/07/06
    これはわりと、もっと議論されるべき話。
  • 「サブジェクトライブラリアンの将来像」に参加して

    日3月15日、東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門の主催で標記のシンポジウムがオンラインで開かれ参加した。この図書館は昨年10月に開設され、この4月からここに3名の「サブジェクトライブラリアン」が配置されるということである。東京大学にこうしたポストができるというのは画期的なことであるだろう。 http://u-parl.lib.u-tokyo.ac.jp/archives/japanese/mh4 プログラム [ 第1部 ] 9:30 〈開会の辞〉 蓑輪 顕量(U-PARL部門長、人文社会系研究科教授) 9:35 〈アジア研究図書館の紹介〉 小野塚知二(アジア研究図書館館長、経済学研究科教授) 9:50 〈趣旨説明〉 中尾道子(U-PARL特任研究員) 10:15 〈報告1〉 吉村亜弥子(シカゴ大学図書館研究ライブラリアン) ■  米国サブジェクト・ライブラリア

  • 博士論文(「教育改革のための学校図書館」)について

    年2月に慶應義塾大学から「教育改革のための学校図書館」の研究業績により博士(図書館・情報学)の学位を頂戴した。その経緯について書いておきたい。 私たちの世代の文系の研究者は、大学院博士課程を単位取得退学のまま就職し、そのまま定年近くまで博士の学位なしの人が多い。当時、文科系では、博士はある分野に長期間携わって一定の成果を上げた人のための名誉的な称号であるという見方が支配的で、若いうちにとることは一部の分野(心理学、社会学、経済学などの実証科学的分野)を除くとあまり考えられていなかった。だから、外国の研究者人と交流して博士号がないというと少し肩身が狭い思いをしながらそのような事情を話さざるをえないことも何回かあった。私自身は、一定の研究分野でじっくりと研究を継続することができず次々といろんなことに手を出して中途半端にしたまま違うことに手を染めることを繰り返してきたので、博士号をとることもな