村井嘉浩知事が政府の復興会議で提唱した「水産業復興特区構想」に対し、石巻地方の沿岸漁業者から反発の声が上がっている。養殖漁業に大手企業の参入を可能にする内容で、漁業者は「再開意欲を失わせる」「浜の荒廃を招くだけだ」と批判。県漁協は13日、村井知事と会い、構想の撤回を要求する。 「努力すれば努力するだけ収入が得られるのが漁業だ。企業が入ってくれば後継者は育たなくなる」。石巻市の雄勝湾でホタテ養殖を手がける伊藤進さん(66)は知事の提案に怒りを隠さない。 伊藤さんは年内の施設復旧を目指し、ロープやアンカーなど資材の確保を始めている。「漁業者は何としてでも再開しようと頑張っている。県のトップが惑わせるようなことを言わないでほしい」と話す。 村井知事が提案した構想は、原則的に組合員だけに与えられてきた漁業権を、特区では民間企業も取得可能にする内容だ。@地元漁業者が民間資本を得て設立した漁業会