最も一般的なハエの一種「イエバエ」のサナギを粉にして、タイやブリなどの養殖魚の餌の原料にする技術を、愛媛大の南予水産研究センターの三浦猛教授(水族生理学)が開発した。餌の成分は魚粉が中心で、一部をハエ粉末に置き換えることで餌代を抑えられ、餌の原料になる水産資源の節約にもなる。魚の病気への抵抗力が高まる効果もあるという。三浦教授らは今月1日、ベンチャー企業「愛南リベラシオ」を設立し、2、3年後の販売を目指している。 養殖魚の餌は魚粉が主原料だが、元になるカタクチイワシなどの減少や、中国やベトナムなどでの養殖増加に伴い値段が高騰。魚粉の価格は、5年ほど前の倍の1キロ200円程度になっている。 三浦教授らは、餌に占める魚粉の割合を25%減らし、減らした量の4分の1をハエの粉で、残りを大豆などで補った餌を作った。マダイ数千匹に与え、既存の餌で育ったマダイと比べると、肉付きは遜色なく、色合いが向上。