米運輸安全局(TSA)のピストール局長は5日、航空機搭乗客の小型ナイフ持ち込みを解禁するとしていた当初の方針を撤回すると表明した。安全性の低下を懸念する客室乗務員の組合や米議会から猛反発を浴び、断念に追い込まれた。米メディアが伝えた。 2001年9月の中枢同時テロ後、ナイフの機内持ち込みは禁止されていた。しかしTSAは今年3月、刃渡り6センチ以下の折り畳み式ナイフやゴルフクラブなどの持ち込みを解禁すると発表していた。 航空各社や客室乗務員労組は「中枢同時テロの犯人はナイフだけで数千人の米国人を死に追いやった」と解禁に反対し、全米で抗議行動を展開。連邦下院議員145人も連名で、ピストール局長に計画撤回を迫る書簡を送っていた。 TSAが空港の保安検査で押収する小型ナイフは1日に2千本以上とされる。TSAは手間がかかりすぎるとして、より危険性の高い巧妙な爆発物などの探知に労力を割きたいと主張して