掌編小説傑作選

文章王の掌編小説ゼミは、2009年12月で終了いたしました。 今までのご参加、応援、その他諸々、心より御礼申し上げます。 誠に有難うございました。 ◆ゼミはなくとも、以下の村松恒平コンテンツはまだまだ続きます。 村松恒平 文章学校 文章表現相談セッション 心が大事 「ネットと無料」ニュース ゼミチームwith村松恒平(mixi) 私が一人で親知らずを抜いたことを、母は怒っていた。 二十九歳にもなった一人娘が、一人で紹介状を持って大学病院に行き、診察をうけ「結果『ナンチショウレイ』の為、手術をおこなう」と決めたこと。 そして母に一言の相談もせず一泊二日の入院をし、右下の歯茎の中で横倒しになっている親知らずを引っこ抜いてきたこと。 怒りの原因はこの二点だった。 「どうして入院したって教えてくれないの」 母は、一年前から一人暮らしをはじめた私のアパートへ、半月に一度は訪れる。私は外出したり、居留