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南国科学通信 第9回 多数決の秘められた力 | 朝日出版社第二編集部ブログ
多数意見というものは、どのようにして生まれてくるのだろうか。誰にとってもこれは大きな関心事である... 多数意見というものは、どのようにして生まれてくるのだろうか。誰にとってもこれは大きな関心事である。実際身の回りを振り返っても、われわれの仕事時間の大きな割合が、職場や家庭の各人の考えをどう集約していくか、という問題に費やされている。 社会の多数意見の形成の過程に、なにか数学的な法則のようなものはないのだろうか。人間は個々には自由意志を持ち、予測不可能な決断を行うこともあるが、多数が集まる時、ちょうど多くの原子が集まって水や塩や金属になる時と同様に、何か簡単な法則が立ち現れるのではないか。そう考えて「世論力学」というものを考案したのが、フランスはパリの理工科大学、エコール・ポリテクニークの理論物理学者、セルジュ・ガラム博士である。 世論力学の出発点は、われわれの周囲で日常的に行われる民主主義的な多数決選挙の、突き放した観察であった。 Jean-Baptiste Siméon Chardin,
2018/07/28 リンク