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ケインズの葬送 - 池田信夫 blog
今年は、ケインズがあらためて注目された年だった。マルクスは完全に葬られたが、ケインズはまだ成仏し... 今年は、ケインズがあらためて注目された年だった。マルクスは完全に葬られたが、ケインズはまだ成仏していないようだ。今ごろ墓場からよみがえるのは彼も本意ではないと思うので、その意義と限界を簡単にまとめておこう(この記事は入門的ではない)。 『一般理論』は非常に難解な本である。脱線や重複が多く、前後で矛盾していて、統一的な理論モデルがどこにも書かれていない。これは「ケインズ・サークル」という研究会の記録をもとに書かれ、コアになったのはリチャード・カーンの乗数理論だったので、正確にはカーンとの共著だといわれる。この研究会のメンバーだったジョーン・ロビンソンも「ひどい本だ」と評した。特に岩波文庫の訳本は、絶対に読んではいけない。 乗数については、1933年にカレツキが(ポーランド語で)発表した理論のほうが数学的に明快だ。彼が依拠しているのは新古典派ではなくマルクスで、剰余価値率(マークアップ)が
2009/01/06 リンク