生きてる感想 : 夏目漱石「虞美人草」

夏目漱石「虞美人草」 June 10, 2011 19:02 文学読書・本 新潮文庫「虞美人草」の背表紙にはこう書いてある。 豊かな詩才にめぐまれ、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾は、その濃艶な魅力で温厚な秀才小野の心を惹きつける。小野はやがて藤尾の遊戯的な愛に気付き、古風でもの哀れな恩師の娘小夜子と結婚する。小野の裏切りにより、ついにすべてを失った藤尾の破局に向かう凄惨な姿を通して、道義の中に人間の真の生を追求し、現代人の心をも激しくゆさぶる問題作である。 僕は漱石の長編は「虞美人草」と「坑夫」以外はすべて読んでいたので、残り２つもいずれ読まなくてはなぁ、と思っていて、それでちょっと「虞美人草」読んでみました。 村上春樹「海辺のカフカ」の中で、大島さんという登場人物も、この２つ以外は漱石は全部読んだって言ってますね。この２つはとかく最後まで残りがちなのでしょう。というのも、この２作品は漱