asahi.com（朝日新聞社）：事件現場清掃人が行く 高江洲敦さん - 著者に会いたい - ＢＯＯＫ

事件現場清掃人が行く 高江洲敦さん[掲載]2010年5月30日[文]高重治香 [写真]郭允高江洲敦さん（３８）■死者が教えてくれたこと 人が死んだ部屋の空気は、何かが違う。不本意な死を遂げた人の「思い」が残っている。日々死の現場に身を置くと、それがわかるという。 室内で「孤独死」や自殺があり、発見が遅れると、においなどの痕跡が容易には消えなくなる。処分すべき遺品もある。困り果てた遺族や大家が頼るのが、専門の清掃会社だ。 ２００３年から約１千件の現場を清掃してきた経験をまとめた。技術を尽くして除菌や消臭をし、また人が住める状態に戻す。大家と遺族の話に耳を傾け、交渉の間に入ることもある。 自分が人知れず死んだら、体がどう変化し、周囲の人はどれほど困惑するのか。若くても、家族がいても、当事者になり得る。本書を読めば、それがよくわかる。とはいえ、万一に備えるマニュアルではない。 「死は怖いし、わか