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最後のイタコを訪ね、亡き母と話す
松田は東北地方の南部(青森県東部、岩手県北中部)を拠点に活動する若きイタコ(南部イタコ)である。... 松田は東北地方の南部(青森県東部、岩手県北中部)を拠点に活動する若きイタコ(南部イタコ)である。イタコは死者の霊魂を憑依させ、縁者と対話させる「口寄せ」で知られる。日本の伝統的なシャーマン(呪術師、霊媒師)の一種だ。イタコは口寄せのほかにも「お祓い」「占い」「神事」なども行う。「見えざる世界」との媒介者である。 イタコに近い存在として、日本では沖縄地方のユタ(巫女)やノロ(祝女)、韓国では土着宗教ムーダン(巫堂)などがある。 「あの世ではどういう生活を?」 玄関を開けると、松田が姿を現した。髪を後ろで束ねた、一見すると普通の40代の主婦だ。誘われたのは祭壇のある奥の座敷。白い法被を羽織った松田は奇妙な数珠を持っていた。その風情はいかにもシャーマン然としたものだ。辺りの空気がピンと張りつめた。 数珠はムクロジの木でつくられた特殊なもの。両端には熊の爪やオオカミの骨、小動物の頭骨、古銭などがぶ
2018/03/13 リンク