【IMITATION GOLD vol.219 特集･『逆噴射家族』】家族に止められても聞かず、会社を無断欠勤して床下を掘り続け、加速度的に狂気を増していく...いいから、お前たちは黙ってなさい！

昭和57年（1982年）2月9日、福岡発→東京行きの日本航空350便（DC-8-61型）が羽田空港へのアプローチで失速し、滑走路沖合いの東京湾上に墜落した*1。この事故は、妄想性統合失調症（精神分裂病）によって心神喪失状態に陥っていた機長が、着陸直前に逆噴射装置を作動させるという異常な行動をしたことが原因とされ、副操縦士の「キャプテン！やめてください！」という叫び声がボイスレコーダーに残されていた。前日（8日）には、ホテル・ニュージャパンの大火災が発生しており*2、各テレビ局ともに報道特別番組を差し替えるなど大混乱に陥っていたこともあって、当時のことを、テレビ的な記憶として覚えている昭和チルドレンが多いかもしれない。どこか時代性を帯びていて、単純なアクシデントとは言い切れない現代社会的な要因を持ったニュースだったことから、テレビのワイドショーや雑誌などで頻繁に取り上げられ、「心身症」「逆噴