チャールズ・ストロスという作家 - ぼくのWeblog

人はＳＦ小説の読者であるのではない。ＳＦ小説の読者になるのである。正しい読書体験を積み重ねてそうなるのだ。体験を積み重ねるには時間が要る。過去のない人間には未来もない。 現代のＳＦ作家は、読者は過去の主要なＳＦ作品をすべて読んでいる、という前提のもとに、世界はなぜそうなったのかという説明を一切抜きにして執筆する。だからストロスのニュー·ニュー·スペースオペラは、ハタチを過ぎてからヴォネガットに出会いましたなどという遅れてきた読者には、読めないと思う。ハインラインの『夏への扉』がＳＦだと思っている読者には絶対に読めない。 ＳＦは、「世界はなぜそうなったのか、という説明」それ自体がＳＦだった時代と、それ以後に分かれる。「それ以後」の作品を読むには、最低でもニーヴンとサイバーパンクを、できれば副読本としての『重力の虹』を、『裸のランチ』を、そしてイーガンを、過去のものとして通過している必要がある

[hepton]

ヴォネガットを知りませんしイーガンも読んでませんが、ストロスが読めてるのは別のSFで補完してるってことでいいんでしょうか