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箴言知の基体としての精神病理学
箴言知の基体としての精神病理学 ... 箴言知の基体としての精神病理学 斎藤 環 はじめに 現時点での精神病理学の可能性について、一種の展望を試みることが本論の目的であるが、すでにお馴染みの「精神病理学の危機」については、正直なところ私はあまり関心がない。この「問題」には、生物学的精神医学の台頭にともなう大学講座内での弱体化といった、政治的な困難以上の意味はないようにすら思われる。木村敏氏はかつて恩師・村上仁氏に「精神病理学という特別な分野は存在しない。精神病理学というのは臨床精神医学と同じことだ」と指摘されたという。私もまったく同感で、定義としてはこれで必要にして十分である。しかしそれなら、精神病理学の危機とは臨床精神医学の危機とイコールということになり、それは事実であったとしても内部にいる私が声高に語るべき問題ではない(内在的に危機を語りす
2009/12/24 リンク