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井上康生は無敵のヒーローだった。2003年、世界選手権の「背中」。(田中慎一郎)
2000年シドニーオリンピック、柔道100kg級で金メダルを獲得した井上康生は文句なくカッコ良かった。 決... 2000年シドニーオリンピック、柔道100kg級で金メダルを獲得した井上康生は文句なくカッコ良かった。 決勝で得意の内股を放ち勝利を決めた瞬間、両手を天に突き上げ雄叫びをあげた場面は、日本柔道界の名シーンの1つだ。 加えて、その後の表彰式で前年に急逝されたお母様の遺影を頭上に高く掲げたこととともに、多くの人の記憶に刻まれた日本スポーツ界の名シーンでもある。 「金メダル以外はメダルではない」 そう公言してはばからない日本のオリンピック競技はいくつあるだろうか。その言葉に込められた重みを考えれば、柔道は間違いなくその筆頭に近い競技である。 1984年のロサンゼルスオリンピック、無差別級で山下泰裕が足を引きずりながらラシュワンを下して涙した金メダルと、1988年ソウルオリンピック95kg超級での斉藤仁の金メダルは、多感な年頃の私の胸に「植え付けられた」。世界の檜舞台で当然のように金メダルを獲得し
2020/06/23 リンク