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百田尚樹は震災後に「転向」したのか? - 集英社新書プラス
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百田尚樹は震災後に「転向」したのか? - 集英社新書プラス
ベストセラー作家にして敏腕放送作家。そして「保守」論客。作品が、発言が、そしてその存在が、これ程... ベストセラー作家にして敏腕放送作家。そして「保守」論客。作品が、発言が、そしてその存在が、これ程までメディアを賑わせた人物がかつて存在しただろうか。「憂国の士」と担ぎ上げる者、排外主義者として蛇蝎の如く嫌う者、そして大多数の「何となく」その存在に触れた人々……。百田尚樹とは、何者か。しかしながら、その重要な手がかりであるはずの著作が論じられる機会、いわば「批評」される機会は思いのほか稀であった。気鋭の批評家と文芸評論家が全作品を徹底的に論じる。 【杉田】確かにこの辺りは、僕と藤田さんで大きく認識が異なる点かもしれないですね。 たとえば僕は、東日本大震災以降の百田尚樹は決定的に「転向」した、と考えています。ある時期までの百田の小説は、公正にみて──まあ無神経で反動的な面もあり、女性表象や左翼イメージにかなりの危うさがありながらも──、ヘイトや差別の産物とまでは言いきれないものだった。 時系列