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中里一日記: ニセ自伝文学
ニセ自伝文学 母親とともにドライブインで男娼として働くトランスジェンダーの少年を描いた小説、『サラ... ニセ自伝文学 母親とともにドライブインで男娼として働くトランスジェンダーの少年を描いた小説、『サラ』が出版されたのは2000年のこと。作者はJ.T.リロイと名乗る、10代の男娼とされていた。だが、実際にこの小説を書いたのはブルックリン出身、サンフランシスコ在住の子持ちの女性、ローラ・アルバート被告(41)。 BLを自伝と偽ってはいけません、というのは当然として、この問題の周辺をあれこれと考えてみる。なお私はローラ・アルバートの作品を読んでいない。あしからず。 笙野頼子『徹底抗戦! 文士の森』(河出書房新社)には、「自己省察こそ文学なり」という主張が強く押し出されている。作品を評価する際には作者の素性(年齢など)を気にかけ、それが作品の価値を大きく左右すると笙野は信じている。 もっともな主張とは思うが、なにか釈然としないところも残る。 東峰夫という作家がいる。『オキナワの少年』で芥川賞を受賞
2007/07/05 リンク