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古(いにしえ)を求めることによって全てを新しくした明治維新
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古(いにしえ)を求めることによって全てを新しくした明治維新
正直言って、私も平田篤胤の著作の膨大さには手をこまねいている、というのが現状だ。 だが、確実に言え... 正直言って、私も平田篤胤の著作の膨大さには手をこまねいている、というのが現状だ。 だが、確実に言えることが一つある。 それは、平田篤胤という人物によって日本の従来の思想が、民衆をも魅了する「宗教」として整備され、それが明治維新という大変革をもたらした、ということだ。 そして、多くの人々が考えているのとはまったく逆に、その平田派国学、つまりそれは篤胤自身は「古道」と呼び、私は「平田教」と呼んでいるものだが、明治維新以後の日本の国家神道とは、決して直結していない、ということである。 島崎藤村が自分の父親をモデルとして書いた小説『夜明け前』は、平田派国学の熱烈な支持者であった主人公青山半蔵がその理想「新しき古(いにしえ)」を求め、そして近代化の中でそれが否定されていく過程をつづったものだ。 では、「新しき古」とは何か。 藤村によれば、古代に帰ることは自然に帰ることであり、「古」に帰ることによって