解説：景況感改善 円高が不安要因 二番底リスク抱え － 毎日ｊｐ(毎日新聞)

９月の日銀企業短期経済観測調査（短観）で大企業・製造業の景況感が２期連続で改善し、金融危機で急失速した日本経済が緩やかながらも復調傾向にあることを示した。だが、設備や雇用の過剰感は根強く、消費や設備投資といった民間需要主導の自律回復の道筋は見えない。円高も進み、先行きには不安を抱えている。 景況感を示す業況判断指数（ＤＩ）が大きく改善したのは自動車や電気機械、一般機械など。中国向け輸出が堅調で、対米輸出も改善しつつある。エコカー減税やエコポイントなどの景気対策も後押しし、過剰在庫が圧縮され、生産は持ち直した。３カ月先のＤＩ改善を見込んでいるのも、予想以上に堅調な中国向けなどの輸出拡大に期待しているとみられる。 しかし、生産水準はピーク（０８年２月）の８割程度。雇用が「過剰」から「不足」を引いた雇用判断ＤＩは大企業・製造業でプラス２６と、６月（プラス３３）から改善したものの、まだ過剰感は強い