医学都市伝説: 狂気に「見返り」はあるのか

2006年01月16日 狂気に「見返り」はあるのか [医学・科学関連] 内田樹氏のブログにこんな記載があった。元の記事は能の「安達原」に関してのもので、私は無粋な人間なのでその内容にはまるで関心も理解も欠いており、記述の一部を文脈を外して取り出すのはまずいような気もするが、やはりあえてそうせずにはいられないのである。内田氏は、知り合いらしい方が「安達原」を新解釈で演出（能にそんなのあるのか）したものを見に行かれて、「『鬼であることは婆であることよりも気持ちがいい』という『疾病利得』をふまえたものだ」という理解によるものだと見抜かれるのである。どうして、人間が鬼になるのか。 「鬼になって人を食らう」というのはあきらかに深く精神を病んでいるということである。 しかし、人間は決してただ精神を病むのではない。 「見返り」がある場合しか人間は狂わない。これは内田氏自ら、精神科医の春日武彦氏か

[Wacky]

人間は決してただ精神を病むのではない。「見返り」がある場合しか人間は狂わない。

[kazafumi]

私も疾病利得という考え方には懐疑的です。狂気はもっと生物学的(分子生物学・遺伝学・器質的)なものに基づいているのでしょう。また一般に言われる疾病利得は、本質的には患者の利得になっていないようですし。

[kafusanjin]

狂気はどんなものであれ、やはり生の全否定。それはやはり「見返り」とはいえないのである。

[zeroset]

「狂気の創造性」という安易な考えへの誡め。「狂気はどんなものであれ、やはり生の全否定、すべてが虚無に呑み込まれる恐怖と戦慄に彩られた危機である」